古いレンズは全て手作り。
大きなガラスの塊から、職人は、一番よい部分を削りだし、
磨き、一枚のレンズに仕上げていく。
職人は、レンズの特性を見ながら、一枚一枚組み合わせ、カメラのレンズを組み立てていく。
手作業で行っていたので、同じ名前のレンズであっても、当たりはずれがある。
よく写るレンズを手に入れたらラッキーというものだろう。
工業製品というより、職人(マイスター)による工芸品に近いと思う。
だから、当時の給与水準からすると、レンズは高価なものだった。
その高価だったレンズが、中古品として 手に届く価格になっている。
十数年前、50mmのレンズを中心に、買い求めていた。
あるブログを見ていたら、ライカM2にSummarのレンズを付けて撮影している人がいた。
まだ30台後半の人だろう。若いけど、非常に上手い。撮影データは一切掲載されていない。
フィルムも何を使っているか不明。(おそらく フジフィルムのAcros100だろう)
Summarのレンズこんなによかったか?
小生も、Summar 50mm F:2のレンズをつけて撮影してみた。

使用したズマールレンズは 1936年製 まだコーティングのない時代のレンズです。
前玉に柔らかな硝子を使ったため、擦りガラス状態になったレンズが多いという。
(これは、伝聞で確証はありません)
幸い小生の手に入れたレンズには、眼で見て判るような欠陥(擦り)はありません。
絞りは 凝ったつくりで、編み籠のような形状になっていて、絞りの形は六角。
絞り値に従い、最良の位置に絞りが来るよう調整しているらしい。
木漏れ日の形が六角形になっているのがわかる。
角が立たず、エッジが目立たず、眼に優しい。

ボケの感じも悪くはないが、時として二線ボケが出てしまうことがある。
右上のぼけた樹の枝に見られるが、集まっているので目立たない。
柵など一本一本 独立したものが 背景にあるときは、注意しないと目立つときがある。
もっとも 気にしなければ それでいい。
デジタル写真で慣れ親しんだ人の眼からすると、むしろ好ましく、面白いと感じるかも。

ピントの合ったところは きわめてシャープ。
しかし、焦点をはずすと、急激に像は崩れる。
同時代のツアイスのSonnar 50mm F:2と比べると、被写界深度の深さが、見かけ上浅くなる。
Summar f:4.5で撮影したものと、Sonnar f:2.8で撮影したものが、同じようなテーストの写真になった。
ピントの合ったところの先鋭度は、甲乙つけがたい。
二線ぼけが出なければ、Summarのほうが柔らかなぼけかたになる。

ポートレート向きのレンズかも・・・・
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ブログにみたSummar のレンズ。
小生のもつレンズより、写りはよさそう。
「当たり」のレンズでしょう。
ブログの主、フィルムが高くなっても、
ずっとライカM2とSummarの組み合わせで写真を 撮り続けると思う。
そのくらい写りがいいと思う。 このレンズ、手放せないだろうなぁ。
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- 2017/07/20(木) 15:05:15|
- レンズの眼、カメラの眼
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