ND64フィルターがようやく届く。
写真の発明された頃なら、いざ知らず、
フィルムの感度は上がり、
ISO:400の高感度フィルムが実用化されている。
今となっては、長時間露光が必要なのは、夜景くらいだろう。
昼の街の様子を長時間露光で捉えられないかテストするため、
φ52mmのND64フィルターを求めた。(ニコンFレンズのほとんどがφ52mmのフィルター径になっているため)
フィルムの時代にもNDフィルターはあったがND8程度までだったと思う。
デジタルになり、感度が驚異的に上がった結果だろうと思う。
テレビでは 東京の桜が満開を迎えたと放送していた。
テストを兼ね、洗足池の桜を撮ろうと、出掛けてみた。
カメラは 古いKievⅡにコシナ製 SC-Skopar 21mm F:4を付けた。
レンズのフィルター径は43mmなので、43mm→52mmのステップアップリングを付けた。

長時間露光を行うため、テストではレンズを最少絞りで使った。
まづ、ステップアップリングをつけた状態で撮影。 シャッター速度は1/50秒。
絞り過ぎたので、イメージサークルが小さくなり、四隅が少しケラレてしまった。

ND64フィルターを付け撮影。露光時間は1秒。

更にその上にR72フィルターを付けた。
R72フィルターは3絞りから5絞ていど減光する。
光線の質により3絞りで良い場合も、5絞に増やしたほうが良い場合もある。
このフィルターは、かなり場数を踏まないと、調子のよいネガを作れないが、
露光は4絞り増やすと思えば そんなに間違いになることはない。
露光時間は16秒だが、相反則不軌を考慮して
(特に高感度フィルムでは顕著なので)
60秒の露光を選んだ。(さらに二段 露光を増やす)
四隅が派手にケラレてしまった。
---------------------------------
1/50秒では 白いボートが沢山池に浮かんでいるのが分かる。
1秒の露光では、まだボートの姿は多く写っているが、一部のボートはブレて写っていた。
60秒に増やすと、ボートは消え、白く軌跡を残すだけとなる。
この辺りが ねらい目かも。
池の水面に注目すれば、
1/50秒では、水面の波のディテールは綺麗に出ている。
1秒では 近景の波のディテールはなくなり、
代わりに水面に橋の影が浮かび上がってくる。
橋の真ん中に小生の影が映っていた。
水面下にいる鯉の姿も現れてくる。
波が平均化され、消された影響だろう。
R72フィルターを付けると、水面からの短い波長はカットされ、暗く写る。
水面の波は平均化され、ディテールは消失。
また違った美しさが出てくる。
マイケル・ケンナ風写真の世界へ入っていく感じになる。
露光倍数の大きなNDフィルターを欲しがる人の気持ちが少しは理解できるようになった。
--------------------------------
(Ⅳd)液で現像。D76より、硬調に仕上がる現像液です。
今回はRetro400Sの高感度フィルムに、レンジファインダーカメラで、21mmの広角レンズを使用したが、
粒状性の細かな低感度フィルムを使用し、
φ52mm径レンズの揃った、Nikon FかNikomart FTnを使用したほうが、カメラシステムを考えたら合理的だろう。
スポンサーサイト
- 2017/04/03(月) 08:55:56|
- レンズの眼、カメラの眼
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0