フィルムの特性は、銀粒子の細かさ、形状、光に対する感度など、
銘柄ごとに少しずつ異なっている。
粒状性からくる画像の揺らぎやトーンの違いにより 違った表現になる。
レンズの眼でもなければカメラの眼でもない、フィルムの眼が有る。
「フィルム(私)の特性を知っていますか?上手に使えていますか?」
と 撮影者は常にフィルムから問われているようなもの。
沢山失敗し、ようやく 少しずつ フィルムの声に耳を傾けるようになった。
いや、まだ、たくさん失敗しているけど・・・・・

Rollei Retro400Sフィルムの感度特性は740nmの赤外部まで伸びている。
R2フィルター(おそらく600nm以下の短い光をカット)は青や緑の光をフィルムに届けない。
空は暗く落ち、青や緑は黒く写り、黄、赤、赤外(740nmまで)は明るく感光する。
掘り起こされた関東ローム層の赤茶けた土を撮るためR2フィルターをつけて撮影した。
明るくしたかったので、一絞りほど多めの露光を選んだ。
見たときの印象に近いトーンとなる。

R2フィルターを外して撮ったもの。
空はR2より明るいが、土塊はR2より暗く写っている。
白茶っけた土塊として見せたいのか、暗く湿気を含んだ土塊を見せたいか、
その判断は撮影者に任される。
それがうまくいくか、失敗だったかは、撮影者の問題。
この場合は、フィルター無し(UV)のほうがいいでしょう。
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現像液は 常用現像液(Ⅰ)を使用しました。
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- 2017/02/17(金) 13:22:53|
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