光がフィルムに当たり潜像を作る。
それを画像にするのは現像液の役目。
現像液の組成の違い、使い方の違いで 画像のトーンは変わってくる。
Retro400S用の現像液を作ろうと三か月ほどいろいろ試してきた。
そして、改めて「フィルムの眼」を意識するようになった。
なんで市販の現像液で満足できるのだろう??
ここが一番面白いのに。
現像液の開発は、行ったり戻ったりの連続。
階調性重視で開発したのが(Ⅰ)
やや軟調に仕上がるが階調性は一番。
現像時間を延長すればISO:1600で使用しても、画像はそれほど粗くならないし、階調性もそれほど低下しない。

次に開発したのが、硬調現像液の限界を探って作った(Ⅱ)。
(Ⅰ)と(Ⅱ)のデータから(Ⅰ)を改良して作ったのが(Ⅲ)
(Ⅲ)は(Ⅰ)に比べ階調性は少し劣るが、(ほんの僅かです)
(Ⅰ)では軟調で眠くなりそうなトーンを、
すっきりと上げる効果があるので、光の平板な撮影時には使える。
同様に(Ⅱ)と(Ⅰ)のデーターから(Ⅱ)を改良して作ったのが(Ⅳ)
(Ⅳ)の現像液が 面白いので さらに(Ⅳ)を改良していったら 段々と(Ⅲ)に近づいていった。
(Ⅳd)だと ほぼ(Ⅲ)の現像液と同じトーンに仕上がる。

(Ⅳo)は 開発当初のオリジナル組成。
ネガの階調性はかなり雑になるが、その分 白黒のコントラストは上がる

(Ⅰ)現像と(Ⅱ)現像を組み合わせた二段現像法。
(Ⅰ)現像時間と(Ⅱ)現像時間の比率を変えることにより
(Ⅰ)→(Ⅲ)→(Ⅳd)→(Ⅳo)までトーンの調子を変えることができる。
更に 現像の操作を最適化すると、ソラリゼーション現像したような効果もでた。
確かに、デジタルカメラは撮影範囲を広げた。
フィルムでは無理とあきらめていた状態/被写体でも、綺麗な画像をものにできる。
これからはやはりデジタルか、と覚悟していた。
しかし、デジタルカメラに内蔵された各種モードに頼り、
高性能レタッチソフトで画像をいじくりまわし、キャッチーな画像を作ることに
うしろめたさ、割り切れなさ、他人(レタッチ)任せの居心地の悪さを覚えていた。
「デジタル楽しいか?」と聞かれたら、あまり楽しめないと答えざるをえない。
楽しみの大部分はデジタルに持っていかれたし・・・・
お残りではねぇ。
アナログフィルムでも、かなり自由にコントロールできる。
まだ 粗粒子現像もテストしていない。
昔 流行った超微粒子現像も試していない。
Retro400S以外にも試したいフィルムはある。
もう少し、「フィルムの眼」に拘ってみよう。
このほうが楽しいから。
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- 2017/02/10(金) 12:05:53|
- フィルムの眼
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