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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

Fake or Art ?

謹賀新年

元旦、まだ陽の登らないうちに家をでて
初詣に池上本門寺へ行く。
境内には参拝の長蛇の列ができていた。
やがて空は白み始める。
列を離れ脇道を行くと、朝日が昇ってくる。
ぽっかりと空いた空間があった。
本門寺927-1
この場所を知る人は少ないかもしれない。
暗い林の向こうからは、参拝する人のざわめきが聞こえていた。
--------------------------
これはFake(偽物/嘘)物語です。
撮影データを読めば 元旦に撮ったものでないことは確か。
更に、池上の本門寺を何度も訪れ、カメラを構えた人なら、
このような写真、撮れるはずもないと気づくはず。

しかし撮影データを隠し、このようなキャプションを入れたら、
大多数の人は、池上本門寺の高台に立つと、
こんな初日の出を拝むことができると信じてしまうだろう。

この写真の唯一の救いはストレート・フォト。
これを、「池上の本門寺でみた、冬至の頃の夕日です。」(一日前だったか)
とコメントすれば、嘘、偽りはなくなる。
なぜ嘘のキャプションをつけて、
人をだますのか?
注目されたいのだろうなぁ。

更にその気持ちが高じれば、キャッチーさを求め、合成写真を作ってしまう。
昔から合成写真(モンタージュともコンポジットともよばれた)はあった。
デジタルになり、レタッチソフトもでき、作るのが容易になった。
インターネットの発達で、簡単に衆人の眼に触れることができるようになる。
fake 画像
しかし、こうなると犯罪に近くなる。
写真の出来は悪くない。上手だ。地震直後なのでニュース性は高い。
上手にできているから、キャプションを読んで、信用してしまう。
平時なら、人騒がせなFake写真と誰も相手にしないでしょうが・・・・

戦後 土門拳の「リアリズム写真」に触発され、(戦前のサロン調写真にたいするアンチテーゼ)
リアリズム写真運動がアマチュアの間で起きる。
「絶対非演出の絶対スナップ」など言われて、その意味の捉え方は 人それぞれ。
明快な定義になっていなかったので、終いには「乞食」写真と揶揄されるようになる。
この運動に触発され、後に日本の写真史に名を残す有能な写真家は輩出したが、運動は下火になる。

これが写真だと決めつけると、
写真表現は萎んでしまうということを学んだ。
写真は なんでもありとすべきだろうと思う。

ただ、まだ「絶対非演出の絶対スナップ」という感覚は アマチュアの心に残っている。
見たものを記録するのが写真だ という感覚があるので、
合成写真にマイナスのイメージを持ってしまう。

しかし、写真は記録のための写真だけでなく、
コミュニケーションの道具にもなれば、
美しいものを愛でる作品にもなりえる。
「写真に制限をつけるな、何でもあり。」
これが、写真表現を萎えさせないためのコンセプトだろうと思う。

写真は意外と貧弱な表現手段だと思う。
画家なら筆と絵具とキャンバスで 自由に描くことができるが、
写真は カメラに縛られてしまっている。
カメラの機能の範囲内でしか写真は写せない。
こんな不自由なことはない。

FakeだってArtになりえる。
「何でもあり」が写真。そう思わないと、写真表現は萎えてしまうと思う。

ただ、写真のコメントに、これは 合成写真ですとか、モンタージュ写真、コンポジット写真とか・・・・
ちょっと断りを入れておいてくれればいいと思う。
(勿論、見た瞬間、合成と判るものは 断りを入れる必要ないけど)
------------
新年 改めて、おめでとうございます。
果たして 今年どんな写真を撮っていることやら。
今年の撮り初めは三ケ日を過ぎてからになりそう。
年末の大掃除で、少々ばて気味。寝正月になりそうです。

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  1. 2017/01/01(日) 16:02:35|
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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