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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

原美術館へ

原美術館で 篠山紀信の写真展「快楽の館」展が開催されているという。

紹介する記事が 日本経済新聞の夕刊に載っていた。
毎日新聞の夕刊にもあった。
おそらく各メディアは必ず取り上げ、話題にするだろう。
マスコミの使い方の上手な人だから・・・・

原美術館は 散歩コースに入っている。
一度見てみるかという気にさせられていた。

1960年代から1970年代 日本の写真界は活気に溢れていた。
戦後の貧しい生活から大量消費の時代に入り、
週刊誌が増え、掲載する写真の需要はうなぎのぼり、
また、広告に使う美しい写真の需要が増える。

すこし背伸びすれば、最新の一眼レフカメラを手にすることができる。
手にした瞬間、「俺は、カメラマン。」と宣言すれば 
カメラマンになれるのだという雰囲気があった。
写真家の仕事は増え、仕事の予算額も増える。
マスコミの寵児になれば、かなり派手な生活ができるらしい・・・
この時期、優秀な写真家がたくさん輩出している。
玉石混合、いかがわしい人も、真摯な人もいた。

実際、この時代 カメラマンになった人の中には
「有名になるなら、カメラでなくてもよかった。
なんでもいいんだよ。 カメラのほうが手っ取り早いと思っただけ。」
と豪語するカメラマンも現れた。
話題性のある人のヌード写真をとり、
しばらくは、マスコミ受けする話題を提供していた。
その点は 成功だっただろう。
「文化人」風を装い、テレビに出演していたが、
次第に飽きられ80年代になると消えていった。

篠山紀信は どんな写真家なのだろう。
1965年から10年間、比較的熱心に写真雑誌を見ていた。
篠山紀信の写真もたくさん見ているはずなのだが、あまり記憶に残っていない。
篠山紀信55878051_o2
この写真を見たとき 違和感を感じていた。
これビル・ブラントの真似じゃないの??
篠山紀信 死の谷1
しかし、広告写真風だなぁ~~。
ビル・ブラントが何故「Distination/(Perspective)」という視点にたどり着いたのか、
その本質なところを(コンセプト)を無視し、画面効果を利用しているだけではないか?
ビル・ブラントという写真家が好きな小生としては・・・・・

他の写真家の影響を受けることはある。
うけて それを自分の作品に生かせばいい。
しかしプロなんだもの、二番煎じにならないよう細心の注意は必要。

真似はアマチュアの上達手段、アマには許されても、
プロにはふさわしくない。
プロがプロの真似!?そんなこと ありえない。
ビルブラントの発見した美しさ「Distination/(Perspective)」を
更に発展させていたら、さすがプロと認めたのに・・・
当時篠山紀信は期待の新人写真家でした。
折角、上手い写真家と周囲から期待されていたのに、裏切られた気持ちがあった。
BillBrabd2scale-750x750.jpg
当時 日本にはビルブラントの作品 あまり知られていなかったのかもしれません。
でも 戦前から活躍するイギリスを代表する写真家。
小生の好きな写真家の一人。
理性的/知性的で、写真で思考するような視点を感じている。
BillBrand1.jpg
若い時は マンレイの下で働いていたこともあったようだ。
社会派的な重いテーマを撮っていたが、戦後は少しシュール感を漂わせたヌード写真を撮っている。

ビルブラントの発見したこの視点は「Perspetive of Nude」という写真集にまとめられて1961年出版されたという。

それらの写真集の影響を 当時の写真家も受けたのだろうが・・・・
技術的な真似ではねぇ・・・・
同時期、コマーシャル、ヌード写真で活躍した中村 正也も
「Distination」視覚効果を取り入れた作品を発表しているが、
エレガントに使いこなし さすが「中村 正也」風だなぁと納得できる作品だった。
小生の心に残るのは中村正也の作品のほう、篠山紀信の作品は記憶に微かに残るだけ。

篠山紀信の名が有名になるのは1980年以降、
若者向けの少々過激な雑誌に「激写」なる名前で
ヌード写真を発表するようになってからではないだろうか?
話題つくりのうまい人だと思う。
誰が見たいと思っているか?
どういう写真なら話題になり、財布の口が開くかを 見極める才能がある。
有名な美少女タレントの宮沢 りえや、
美人女優の樋口可南子のヌード写真集で一躍 時の人になったようだ。
コマーシャル895-28
これが 「快楽の館」? 子供だましのよう。
等身大に拡大した写真なら、もううんざりするほど見ている。
等身大以上のモデルの写真が 駅の看板、デパートのショーウインドウに 飾られている。
コマーシャル895-24
表情、しぐさ、肉体のどこに 「快楽の館」を感じるのだろうか? 
コマーシャル895-27
高い入場料を払い 「快楽の館」に入ったが、
マヌカンの服を脱がせただけに等しい女性のヌード写真が展示されているだけ。
今の時代、等身大に引き伸ばされた若い女性のヌードを 
金を払ってまで見たがる人が、どれだけいるだろう?
無表情で、退屈なポーズの女性のどこに 「快楽の館」を感じなければいけないのか?
これが 氏のいう「写真力」なのかなぁ。

小生鈍いから~~良さが判らない~それとも、宣伝にうまく載せられたか~~~

同じ金を使うなら、妻と観た「シンゴジラ」の映画のほうが楽しめた。
コマーシャル909-2-8
コマーシャル909-2-10
コマーシャル909-2-2
ショーウインドウに飾られた、これらの写真のほうが目を引き(attractive) 思わず中に入りたい衝動に駆られる。
こちらの方が、「快楽の館」の香りがする。
もしかして、この広告写真を撮影したのも篠山紀信?
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  1. 2016/12/28(水) 12:25:32|
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Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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