この2ヶ月近く、Retro400Sフィルムの現像液を検討してきた。
現像液組成が決まるごとにテスト撮影を行い、現像し、効果を確認した。
そのときたまたま「すすき」に眼が入ったので、撮ったまで。
「すすきを表現する」など 大それたことを考えてはいなかったのですが、
一連のテスト撮影が終了し、それらを集めて比較すると、
現像によってどれだけ表現が違うか、現像液の特性が把握できると思う。

現像液(Ⅰ)は、いままでTri-Xに使っていた現像液組成を改良し、
軟調な調子を崩さず、暗い部分を持ち上げる改良を行っている。
Retro400Sフィルムは、透明なポリエステルフィルムで、銀塩濃度の幅は広い。
その広い表現力をフルに使える現像液になっている。
光に対する直線性は高く、ダイナミックレンジも広い。
「ありきたり」といえばありきたりの現像液。
今後は この現像液(Ⅰ)を中心に使おうと思っている。

二段現像を行った。
現像液(Ⅰ)で 80%程度現像を行い、その後 現像液を(Ⅱ)に替え、暗部を重点的に現像。
暗い部分は潰れないが、フラットな眠い調子に仕上がる。レトロ調?と呼ぶべきか。

これも二段現像を行っている。
(Ⅰ)の現像を20%~30%に抑え、現像液(Ⅱ)に替え現像を完成する。
暗い部分が持ち上がり、ソラリゼーション現像したような効果がでる。
どの時点で(Ⅱ)の現像液に替えるかで、効果が違うので取扱いに注意が必要。

現像液(Ⅲ)は、(Ⅰ)より更に暗部の現像力を高めている。軟調現像液より、硬調現像液と呼ぶべきかもしれない。
鉄骨や碍子のエッジの部分が、くっきりとでる。
暗部も黒くは潰れない。

現像液(Ⅳ) (ⅣのOriginal)
現像主剤のメトールやハイドロキノンの現像力の限界条件を
テストピースから割り出し、組成を決めた。
しかし、この組成では、ちょっとした違いが ネガに大きな違いをもたらし、使いにくかった。
再現性の悪さを改良しようと、Ⅳ→Ⅳa→Ⅳbと組成を変えたが、
現像液結果は、現像液(Ⅲ)に近づいてしまった。
もともと決めたOriginalな組成の現像液に立ち戻り、使いこなすべきと、今 奮闘中。
これで良いのだと安住したら進歩はない。
限界ぎりぎりで使ってこそ、新しい何かが発見できると思っている。
スポンサーサイト
- 2016/11/01(火) 10:49:54|
- 樹、草、花
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0