Retro400S用の開発した現像液組成は5つに達した。
(Ⅲ)の現像液は 白黒の対比を強調できるように 現像液組成をいじったもの。
更に 強調できる現像液組成は(Ⅳ) しかしこれは非常に使いにくい。
テストピースでの現像実験では、評価は不十分なので、
実際に撮影し、フィルムを現像し、現像液(Ⅲ)の効果を確認した。

従来 小生が使っている現像液では、階調性は高いが、
白黒の対比が弱く眠い画像になりがち、現代風ではない。
この現像液で試すと、
デジタル・モノトーン、HCBWモードで撮影したようなトーンになった。
小生の使っているSony NEX-3のHCBWモードと比較しての話ですが、
階調性は豊かだとおもいます。

暗い部分を 黒く潰すのは 小生の好みではない。暗い部分の階調性は残っている。
これ以上焼きこみたくない。

使用したレンズは 戦前のツアイス、Tessar 50mm F:2.8のレンズ。鷹の眼と呼ばれたレンズです。(まぁ、ツアイスのキャッチコピーでしょう。) ノンコート。
ネガ・フィルムを3200dpiで取り込んでいるので、デジタルカメラ風に言えば、約1400万画素の画像。
フィルムで使うなら今でも十分な解像度がある。
画像は、長辺を800画素に縮小してあります。
ビルの部分を 当倍に切り取ってみました。

Retro400Sフィルムの銀粒子、意外と細かい。
以前使ったことある富士のNeopanSS(ISO:100)と同程度ではないだろうか。

1,2年前、水面に射す反射光の揺らぎを撮りたくて、何度か試したことがあった。
その時は 思わしい結果が得られなかったが、
今回は、かなり狙いに近いものが現像できていた。
黒の締りがあり、滑らかでヌメッとした感じが表現できている。
これなら、洗足池の鯉の撮影に使えるかも・・・・

これは、去年 反射光の渦の紋様を撮ろうと 試みていたときの写真です。
残念ながら、思ったような黒の締りと、光の輝きを捉えることができなかったので、没にした失敗作。

明るい部分との対比を重視して焼きこんだら、
陰の部分のディテールを残そうとしても、
影の部分、黒く潰れます。
もっとも この構図なら、陰の部分、黒く潰すのが 定番の撮り方でしょう。
影の人物は・・・何者?と謎めいた感じを付与できるから。
この現像液で現像すると、白黒の対比はでるけど、暗い部分にもディテールは残る。
やはり、「足の有る」 レトロなフィルムなのでしょう。
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- 2016/10/18(火) 12:07:41|
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