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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

足の有るフィルム

主にTri-Xを使ってきたので、
古い写真雑誌に載っていた「足の有るフィルム」で撮ったことはない。
撮っていたとしても、意識はしていなかった。
「足がある」とは 低照度の暗い部分にも銀塩のディテールが残ることを指しているようだ。
足が切れたフィルムの先鞭をTri-Xがつけたと、木村伊兵衛は雑誌の中で述べている。
Tri-Xが盛んに使われだしたのは1960年代からだろう。
以後、フィルムはその方向へ進む。
ASA400の高感度フィルム、高感度ながら粒状性もいい。
高価なフィルムだが報道関係では絶大な支持を受けていた。
プロが使うフィルムというイメージがあった。
最初は、とても手の出ないフィルムと思っていたが、
100フィートの長巻を買って、自分で切断し、パトローネに詰めて使えば、
国産フィルムとほぼ同じになることに気づく。

時代にマッチしていたのか、それとも、マッチさせられたのか、
白と黒の対比を強調した写真が流行りだす。
ザッラとした、白黒の、「あれ、ぼけ、ぶれ」の写真が氾濫する。
そういう写真を見続け、馴らされてしまったのか、
暗い部分が黒く塗り潰されていても、あまり違和感を感じなくなっている。

銀塩フィルムは、白飽和にはかなりの耐性を示すが、
暗い部分になると、描写力は弱い。ザッラとした銀粒子が出てしまう。
デジタルは、白飽和に耐性はないが、暗い部分の描写力は優れている。
その特性を発揮したら、デジタルモノトーンで、
暗い部分のディテールが残り、かつ階調性の豊かな写真ができると思うのだが、
まだ、暗い部分を黒く潰したままのデジタル・モノトーン写真が多いのはどうしてだろう?
ハイコントラスト・モノトーン写真の呪縛から抜けられないのだろうか?
ローキー884-23
アレボケブレより少し前からカメラを手にしていた。
当時は、如何に精細で豊かな階調の写真を作るかが、
アマチュア・カメラマンの関心事だった。
微粒子現像、希釈現像法、二液現像法などが特集記事として雑誌に載っていた。
風景を撮るなら微粒子フィルムを使用し、微粒子現像液、全体を精細に撮るため、絞は絞ったほうが良い・・・・
ASA(ISO)50のネオパンFフィルムにミクロファイン現像が定番だったか?
精細な写真は、手振れ厳禁、三脚を使用することになる。
20本くらい それで撮影したが、すぐに根を上げた。
風景写真をあきらめ、Tri-Xを使用したスナップ写真が主になってしまった。
それでも、階調性の豊かな写真を狙うのは、小生の原点になっている。
どうしても暗い部分のディテールが欲しくなり、明るい方向にレベル補正をしてしまう。
Retro400Sフィルム 確かに足の有るフィルムだと思う。
明暗を強調したキャッチーなハイコントラスト・写真を見慣れた眼からすると、
豊かな階調性と言われても、眠い写真に変わりはない、
こんなつまらない写真、何だろうと思うだろう。
ローキー884-23 Ⅲ
暗い方向へレベル補正すると、暗い部分は潰れていく。
上部の黒い空間はアンバランスになるので、トリミングしてみた。 
少しは、現代風になる。
ローキー884-30 Ⅱ
モノトーン写真は、暗い方向にレベルを調整すると、一見、上手そうに見えることが多い。
あからさまより、暗く隠れたほうが、内容がなくとも意味深、何かある・・・と想像を掻き立ててくれる。
しかし、それは、時として、姑息な手段になってしまう。注意しないと、恥の上塗り。
ローキー884-33
暗い方向へレベル補正したローキー写真で 美しいのは、漆黒の中の輝きだと思う。
Retro400Sフィルム、ローキー写真も可能ではないかと思う。
少し 露光を切り詰めて、薄いネガを作ってみた。
照返しの輝きが、生かせたら・・・・と思ったが、今一の結果。
しかし、このフィルム 意外に表現できる範囲が広い。

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  1. 2016/09/20(火) 12:10:18|
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Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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