現像液組成、現像法も決まったので、あらためて、テスト撮影。
R72フィルター(720nm以下の光をカット)を使って撮影。

モノトーン・フィルムの歴史は、カラーフィルムより長い。
様々な手法が開発されてきた。
印画紙の号数を変えたり、焼きこみ、覆い焼きなどの技法をこらす。
フィルター・ワークもそのうちの一つ。
普通に撮影したら、こういうトーンにはならない。
写真を見た人は、
ああ、この人は、
このようなトーンなるよう撮影し、トーンを調整しているのだろうと、
撮影者の意図を感じる。
フィルムを選ぶ、現像液を選ぶ、フィルターを選ぶ、露光を決める、押して現像するか、浅く現像するか・・・・
古い機械式カメラだと、全ての裁量は撮影者に任される。 それが楽しい。

同じ場所を、6年前(2010年11月8日)に撮影している。
カメラはKievだが、レンズは同じものを使っている。
レンズ保護にUVフィルターがついていた。
これが、Tri-Xで普通に撮影した写真。
Tri-X(パンクロフィルム)では、R72フィルターの使用は困難。
スーパーパンクロと称するRetro400Sで可能な写真となった。
Retro400SフィルムとR72フィルターを組み合わせて撮影しているが、
モノトーン写真を撮ってきたものからすると、「ストレート・フォット」になると思う。
フィルムの特性を生かして撮ったまで。
今 時代は、デジタル写真になった。
デジタルの特性を生かして撮影とは、どんなものになるのだろうか、と考える。
パートカラーとか、HDR(複数枚の画像を基にした)、ハイスピード撮影が、
デジタルの特性を生かした撮影となるのだろうか?
撮影者の裁量はどこにあるのだろう?
デジタルカメラを設計し製造した、カメラメーカーの技術者には、尊敬の念を覚えるが・・・
それを使って面白がっていたら、
メーカーの掌の上で、遊ばされているだけという疑念を生じないだろうか?
小生は 少々居心地の悪さを覚えている。
綺麗に撮れすぎ。
何に興味を持ち、それを どう表現し、写しこむかとなると、
即物的でないモノトーンフィルムが、小生の感性には合っていると感じている。
まぁ、単に、長く使い続けた結果とも言えますが。
デジタルカメラを使うようになって、まだ 20年も経っていない。
そのうち、デジタルカメラ使いの名手(達)が出てきて、
デジタルカメラ特有の写真表現の時代を切り開いていくのでしょう。
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- 2016/09/02(金) 08:31:40|
- 都会の景観 Tokyo
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