映り込みは、良く行われる写真フレーミングの一つ。
湖に映り込んだ綺麗な景観を 画面に取り込む。
現実の風景/光景と、水面に映りこむ景色の割合(バランス)がポイントになる。
目黒川の川面は暗い。水質が良くなったとはいえ、底にはまだヘドロが溜まっている。
遊覧船、モーターボート、モーターバイクの一団が通り過ぎると、花筏は掻き散らされ、
川底のヘドロは水面まで巻き上がり暗く濁る。
光線の具合では薄みどり色に濁る。
そして、川面に点々と黒いヘドロが浮き上がっていた。
汚れた川面をじっと見ている。
別の世界が見えている・・・隠れていた異界。
意識できる世界の底に潜む別世界が浮かび上がる感じがする。
シュールリアリズム?
これは映り込みでない。
そんな 気がしていた。

現実のものは桜の花だけ、川面に映った影(陰)の世界が浮かび上がる。

風景写真の映り込みでは、現実と映り込んだものの対比がポイント。
それが判るようにフレーミングする。
しかし、このフレーミングでは(意識的に)実世界を排除している。
何を感じ、何を期待しているかで・・・フレーミングは変わる。
鏡の世界。
不思議の国のアリス・・・・の世界にはなっていないけど。

異界に引き込まれようとするが、桜の花に気づき我に返る。
大した写真ではない、ありきたりの写真じゃないか。
水面に映った陰に過ぎない。

こうなると駄目、もう引き戻れない。
アブストラクト、絵画の世界に迷い込んだ気がする。
カラーで撮影したら、だれもそんな気にはならないだろう。
駄作だろう。なにが撮りたかったかと、疑問を投げかけられる。
目黒川の川面をカラーで撮っても、美しい写真にはならない。
引き込む美しさはない・・・と思う。
モノトーンにすることで、汚い色彩は消える。
目の前の光景はアブストラク化され、隠れていた姿を鋭く表すようになる。
これは、「映り込みですね」と訳知り顔に分類すべきフレーミングではないと思う。
薀蓄も語れない。
スポンサーサイト
- 2016/04/19(火) 08:07:54|
- 散歩
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0