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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

川面にある如く

映り込みは、良く行われる写真フレーミングの一つ。
湖に映り込んだ綺麗な景観を 画面に取り込む。
現実の風景/光景と、水面に映りこむ景色の割合(バランス)がポイントになる。

目黒川の川面は暗い。水質が良くなったとはいえ、底にはまだヘドロが溜まっている。
遊覧船、モーターボート、モーターバイクの一団が通り過ぎると、花筏は掻き散らされ、
川底のヘドロは水面まで巻き上がり暗く濁る。
光線の具合では薄みどり色に濁る。
そして、川面に点々と黒いヘドロが浮き上がっていた。

汚れた川面をじっと見ている。
別の世界が見えている・・・隠れていた異界。
意識できる世界の底に潜む別世界が浮かび上がる感じがする。
シュールリアリズム?
これは映り込みでない。
そんな 気がしていた。
川面と桜843-31
現実のものは桜の花だけ、川面に映った影(陰)の世界が浮かび上がる。
縦・川面と桜849-27a
風景写真の映り込みでは、現実と映り込んだものの対比がポイント。
それが判るようにフレーミングする。
しかし、このフレーミングでは(意識的に)実世界を排除している。
何を感じ、何を期待しているかで・・・フレーミングは変わる。
鏡の世界。
不思議の国のアリス・・・・の世界にはなっていないけど。
川面と桜843-21
異界に引き込まれようとするが、桜の花に気づき我に返る。
大した写真ではない、ありきたりの写真じゃないか。
水面に映った陰に過ぎない。
縦・川面と桜849-29
こうなると駄目、もう引き戻れない。
アブストラクト、絵画の世界に迷い込んだ気がする。
カラーで撮影したら、だれもそんな気にはならないだろう。
駄作だろう。なにが撮りたかったかと、疑問を投げかけられる。
目黒川の川面をカラーで撮っても、美しい写真にはならない。
引き込む美しさはない・・・と思う。
モノトーンにすることで、汚い色彩は消える。
目の前の光景はアブストラク化され、隠れていた姿を鋭く表すようになる。
これは、「映り込みですね」と訳知り顔に分類すべきフレーミングではないと思う。
薀蓄も語れない。

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  1. 2016/04/19(火) 08:07:54|
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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