八つ手を撮りたい。
地味で目立たず、少しもキャッチーでない。
本格的に撮ろうとする対象にはならない。
だが、だからこそ 撮るべきだと思う。
「対象が美しいから、写真が美しいわけではない。」
と諭されても、美しいキャッチーなものを、人は撮りたがる。
「対象が力強いから、写真が力強いのではない。」
と言えど、そんな対象を選びがち。
「なにも 素人が高級なカメラを無理して買うことない。
それより (安いカメラでも)撮ることの方が重要。」
土門拳の反逆精神は好きだ。
あの、八つ手の「てかった」肉厚の葉を、どう表現できるか考えていた。
ニコンでは撮れないが、ライカなら撮れる?
馬鹿な、そんなことない。
カメラが高価か安いかの問題ではない。
Minolta Hi-Matic F でも、撮れるなら撮れる。
撮れないならライカでも撮れない。
そして、思い当たったのが、ソラリゼーション現像。
思い立ったら、直ちに空パトローネ3本に 20枚撮りの長さに切ったフィルムを詰めて、白金の自然教育園へ行く。
目的は、八つ手を撮ること。
条件を変え、3本、撮影した。
最初の1本目は、ソラリゼーション現像、見事に失敗。
黒すぎるネガを作ってしまった。
印画紙に焼き付けるなら、
4号印画紙に長時間露光かければ、画像が出てくるかもしれないが、
使っているフィルムスキャナー(エプソンのF-3200)では、追えない暗さだった。
2本目で、どうにかクリアーなネガを得た。

白い葉脈が、黒い葉にコントラストを付けていく。
もう少しコントラストが出せたら、森山大道の「キャベツ」に近づけるだろう。
写真の「アレ」も、似ている気だする。

肉厚の光沢ある葉を捉えていた。
森山大道の撮る「黒い外車」のボディーの質感に近づけた・・・・のではないか?

ソラリゼーション現像。
写真表現の幅が広くなる。
ちょっとした露光の差や、ソラリゼーション現像のタイミング、現像時間で、できてくるネガは 大幅に異なる。

もっと技術を深化させるべきだろう。
テストピースを作り、条件を詰めるつもりです。
本格的な撮影での使用は、それからでしょう。
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- 2016/03/13(日) 11:24:05|
- 写真の技法
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