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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

八つ手

散歩しようと家を出ると、冬の明るい日差しが、植え込みの八つ手の葉を照らしていた。
どう写るだろうと、シャッターを押していた。2日前のことである。
八つ手812-45 Ⅱ
現像し、ネガをスキャナーで取り込む。
濃度調整、トーンカーブをいじるが、出てくる画像は、・・・・・思い描くヤツデではない。
こんなのとは違う。
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八つ手には、変な思い入れがある。
記憶に残るヤツデは、家の中庭に植えられていた。
幼児にとってそれは大きな樹、かくれんぼには、絶好の場所。
大きな手のひらの葉の下に潜り込んでいた。
日陰のじめじめした空間が広がっている。
母親の探す声がする。見つけてくれない。
思わず幹をゆすっていた。
その瞬間、花粉が落ちたのかもしれない。皮膚に赤い斑点がでる。
「八つ手の樹の下にいたら、バッと蕁麻疹がでるのだもの・・・驚いてしまった。」
後年、母がそう話していた。蕁麻疹が出たのは覚えていないが・・・泣いたことは覚えている。

ヤツデの葉を撮影しようする人はすくないだろう。
丸いボール状の花をつける11月のころ、あるいは新芽が出る春の季節なら、カメラを向ける気にはなるが、
地味な写真であることには変わりはない。

しかし、小生には、この記憶が残っている。
八つ手の葉の下に広がる 暗くじめじめした空間は、邪悪な世界への入り口につながっている・・・・
そんな感覚が、心の底に沈んでいるのかもしれない。
八つ手DSC00889
2年ほど前、同じヤツデをデジカメで撮影している。
モードは、HCB&W ハイコントラスト白黒モード。
順光で撮ってみた。液晶モニターですぐに確認。
違うなぁ。
あの時は、葉の裏から見たはずと、八つ手の葉の裏側のもぐりこみ、逆光で撮影。
八つ手DSC00886
こうでもない。
その時は、これであきらめていた。
八つ手786-20
去年、洗足池に鯉を撮りに行ったとき、見つけた八つ手の樹。
思わず、シャッターを切っていた。
これでもない。

やはり 幼児に戻らないと撮れないものかも・・・・。
人生は不可逆反応、戻れない。
とは思え、鬱蒼と茂る「八つ手」を見たら、今後もシャッターを切っているでしょう。
あの記憶の八つ手を見たくて。
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  1. 2016/01/12(火) 12:21:45|
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Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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