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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

戸越公園の銀杏

昨日、晴れたので、珍しく午前中カメラを持って散歩した。
戸越公園の銀杏DSC05479
中央に見える黄色く色づいたのが、戸越公園の銀杏。
公園内には、銀杏はこれ一本しかないだろう。
フォトジェニックな樹です。
11月21日のブログには、戦前のLマウント・エルマーで撮影した、この銀杏の写真を載せました。
戸越公園の銀杏800-29
今回は、モノトーンフィルム(赤外)で撮影しています。
720nmカットできるR72フィルターを付けている。(R78フィルターでは、うまく撮影できなかったので)
レンズはコシナ製、SC-Skopar 21mm F:4のレンズにした。
マルチコーティングされた最新の切れの良いレンズです。

デジタルカラーは、見たときの印象に、かなり近い写真を撮ってくれる。
狙いと撮影結果との間に、大きな乖離はないだろう。
乖離があったとしても、その場で、背面の液晶画面で確認し、撮影条件を調整し、再度シャッターを切ればいいだけ。
デジタルは、綺麗に撮れてしまう。液晶画面で確認し、その通り頷いてしまう。
しかし、綺麗なカラー写真が撮れたと喜んでいる自分に、逆に薄っぺらさを感じてしまう。
こんなんじゃない・・・と呟いてみる。
なにか大切なものを忘れているのではという、居心地の悪さを感じている。
美しく、ありのままに撮れているのに、何が不満?
戸越公園の銀杏DSC05481
「一本銀杏」に近づき、デジタルで撮影。
銀杏は色づきはじめていた。見ていた印象に近い形で記録できている。
カラー・フィルムの時代なら、かなりの経験が必要だったけど、今はPモードで充分、カメラが撮ってくれる。
駄目でも、背面の液晶で確認し、何度でも撮り直しできる。
しかし、画像は余りに即物的かつ完璧なもの、圧倒されるだけで、見る人に、つけいる隙を与えない。
(一枚のデジタル写真、カメラの寄与率と撮影者の寄与率を考えたら、おそらくカメラの寄与率のほうが大きいだろう。)
戸越公園の銀杏800-35
何が不満?
デジタルカラーは 即物的なので 性分に合わないのだろうと思う。
デジタルになり、行きつくところまで来てしまったのだろうか?(作品に占める撮影者の寄与率は最小に近づいてきた)
写真は目の前のものをコピーするものと捉えたら、
デジタルカメラは、完成形に近い装置になった。

しかし、想像の翼を広げるべき隙間が見つからなくなってしまった。
写真の背後に広がっているものは、心の翼を広げないと、見えてこないと思っている。
本当に大切なものは、目に見えない。
それがデジタルでは 閉ざされているように感じてしまう。

モノトーンのフィルムは 不完全。
目の前をものを正確にコピーしようとしても、その能力はない。
白黒写真は色のデーターを持っていない。
その時点ですでに、抽象的な意味合いを持つ。
白黒写真は、不完全で抽象的。 だから、写真は見る人に、「写っているものは何か」と問いかけ、大切なものをほのめかす。
モノトーンの映像を、心の中に投射し、その本質は何かと 問い掛けることを強いる。
その問いかけに 答える知性・感性がない人には、モノトーン写真は、単に一枚の記録紙であり、記号に過ぎないだろう。

写す人と、見る人の、感性・知性のせめぎ合い、想像の翼が写真の中に飛び交う。
そんな ロマンチックな 気持ちがあるのだろう、小生は やはり、モノトーンフィルムで 写真を撮るほうを選んでいる。
一枚の写真、撮影者の寄与率を上げようと、使いにくい機械式カメラを使っている。
長巻フィルムを切り、マガジンに詰める。薬品を調合し、現像液を作る。
自分の裁量でフィルムを現像し、できたネガをスキャナーで取り込み、トーンカーブを調整し、画像をプリンターに打ち出す。
デジタルカラー写真と比べたら、画像のクオリティーは 低いかもしれない。
それでも、いいと 思っている。 
眼に見えない、大切なものを「問いかける/ほのめかす」 それを許容する不完全さがあるから。


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  1. 2015/11/29(日) 21:02:02|
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Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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