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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

希釈現像法

1960年代 希釈現像法が話題になり、時々カメラ雑誌に紹介記事が載っていた。
二液現像法も 紹介されていたが、この方法は戦前のアルス写真全集でも取り上げられた方法で、特段 目新しいと思わなかった。
小生の現像法は、最初二液現像法でスタートしたが、徐々に希釈現像へ変わってきている。
二液法も時々併用するが、本来の二液法と異なり、最初はM系(メトール単味)の希釈現像でほぼ画像を出し、二液目はMQ系(メトール/ハイドロキノン:D76系)の希釈現像で 画像を整える(γを上げる)ようにしている。
いまは、ほとんど一液の希釈現像法を使用、時々 二液法を使う。
希釈現像
ネガに写ったコダックのグレースケールの濃度を測っている。一番濃度の高いところ(Up濃度)の推移をグラフ化した。「写真化学」(著者:菊池真一教授) Page63に記載されている写真現像の評価法に近い。6章、現像速度の表わし方に記載されたグラフに似たものになった。(当たり前だけど)
赤いマークは メトール単味(Met)の軟調現像液、0.01%、0.05%、0.1%の三水準で実験した。処方が公開されている現像組成では、メトール濃度は0.2%~0.5%濃度だから、0.05%は4倍~10倍希釈現像になる。
希釈現像でいいのは、Up濃度が頭打ちになること。現像時間もかかるので、かなりいい加減な現像でも、調子の整ったネガを得ることができる。(実は、現像むらも防止できる。)
今使用しているA現像液には 被り防止剤(主にKBr)を入れている。
Tri-XやKentmere400、FormaPan400では、若干の現像時間のずれはあるものの、メトール単味現像液で0.05%~0.1%に相当する現像速度はでた。 しかし、Retro400Sのフィルムでは、極端に現像速度が遅くなってしまった。
そこでA現像液にメトールを加え実験してみた。
これらのデータからすると、メトール濃度を0.1%程度増やし、現像の温度を25℃~28℃にあげることになりそうだ。
Test-5.jpg
10月20日 長巻フィルムを切り、12枚分をマガジンに詰め、白金の自然教育園へ行き、テスト撮影をしてみた。
メトールにハイドロキノンを混ぜると、階調性は悪くなります。現像カーブは急峻になり、白と黒の対比は強調され、すっきりとした画像を得ることができます。
一方、階調性が高い(Rangeの広い)ネガは、時とすると眠い画像になり、見栄えがあまりよくない。
写す対象(光の具合)により得手、不得手があります。
空の調子を出そうとすると、影の部分に残った、微かな銀塩により、真っ黒にはなりません。陰の部分を暗くつぶすと、空の調子がおかしくなる。 すっきりとさせるためには、階調性を減らしたほうがいいでしょう。この場合ならD76現像して暗い部分を潰すのが正解です。
TestR72樹25℃×60分
しかし、テストのためR72フィルターを持参したので、同じ場所で R72フィルターをつけて撮影、比較しました。赤外線写真になるので5絞分開けて撮影したが、結果は、1絞から2絞り露光オーバーでした。(テスト用に、短く切ったマガジンを2本持参)
そこで現像時間を7割に短縮して現像調整、Range[37-193]で現像することができました。これが大正解なのでしょう。
Tri-X、Kentmere400,Formapan400などは、パンクロフィルムなので、あまりフィルターを付けて撮影したことありませんが、スーパーパンクロを標榜するRetro400Sフィルムでは、フィルターの使い方がコツになるかもしれません。
R72フィルター(720nm以下の光をカット)することで、コントラストは上がっています。暗い部分のディテールも潰れていません。
勿論 赤外線写真なので、ピントの調整はしています。一眼レフではR72フィルターをつけると、ファインダーを覗いても暗くてよくわからない。
赤外線写真は、レンジファインダー向きです。
test道25℃×180分
明暗差の大きなところで、テスト撮影。普段なら絶対カメラを向けないフレーミングです。空を主体にしたらf:8/500秒、林の葉を主体にしたらf:4/500秒~f:5.6/125秒、陰を走る子供に注目したらf:1.4/60秒あたりが適正露光と判断しました。(これは小生の経験値、勘です)
f:5.6/60秒を選びシャッターを切り、現像を押して増感現像してみました。Range[60-235] ネガの被りは出ましたが、どうにか白飽和していません。暗部のディテールも少しは出たと思います。なかなか使いでのあるフィルムだと思います。
Test-7.jpg
最後のショットは、水面からの陽の光と枯れたワレモコウに注目しフレーミングしました。陽の光が枯れた花に当たり、ほぼ隠れる位置に立ち、レンズの最短距離(約60cm)まで近づいて撮影したもの。一眼レフでないとできない芸当です。ファインダーで見たワレモコウの枯れた花は白一色で、ピントを掴むことできませんでした。マット面を使い、葉にピントを合わせています。露光は池の明るさを基に(これも経験上の勘で)、f:2.8/1000秒を選択しました。(セコニックの露光計を持っていますが、散歩には持って出ません。重いので・・・)
白飽和せず、柔らかな階調で、秋のワレモコウを捉えることができたと思います。
test枯れたワレモコウ1[40-246]-Trimming
トリミングしてみました。85mm~100mm程度の望遠レンズで狙うべき構図でしょう。
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  1. 2015/10/23(金) 10:18:39|
  2. 写真の技法
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Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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