イギリスのタルボットはカロタイプの写真を発明した。
彼はその技術を使い、世界初の写真集、「自然の鉛筆」を出版している。
このカロタイプ写真こそ、現代へとつながる写真の歴史を作ってきた。
ダゲレオタイプでは、複製ができない。一点ものの写真、絵画の世界からまだ抜け出ていない。
一方カロタイプは、ネガを作り、そこからポジを、必要なだけ複製できる。
写真には、誕生の時から、時代/現実を記録し、コピーし、
それを万人の元へと配布する機能を持っていたといえる。
個人でとどまれば、備忘録や家庭のアルバム、メモ。
万人に向かえば、歴史の記憶になる。
細君よりお菓子の空き箱を頂き、カメラを作り、竹林に遊んでいる。
ほとんどタルボットの世界を彷徨ってるような気持ちでいる。
鶏卵紙でも作って、撮った竹林を焼き付けてみるか・・・・そんな気持ちにもなる。

遊んでいる大崎の竹林。
広さは八畳間ほどだろう。
オレンジ色の箱が、零式カメラⅡ号。
箱のなかには、ローテクな仕掛けが入っています。箱が大きいので、仕掛けを工夫し 簡単に入れ替えることができます。アイデアを閃くかがポイント。
写真は、創意工夫によって、表現範囲を広げてきた歴史がある。
原始的だが、根源的な写真(Photograph)機でしょう。
デジタルでは、そのカメラに備わった機能以上のことはできませんが、このカメラなら、アイデア次第。
仕掛けを作り、箱に収めて、撮影する。失敗しても、それが次のアイデアを生んでくれる。

シャッターを押し、写真を撮り、現像する。
PCに取り込んだ後、トーンカーブを派手に使い、効果を強調してみました。
しかし、切り貼り、レーヤー重ね、画像変形など・・・は一切行っていません。
あくまでストレートPhoto、カメラ内のローテクな仕掛けが、効果を生んでくれる。
それが楽しくて、また工夫する・・・今はいいレンズが沢山売られている。デジタルカメラもいいものが出ている。
それを利用すれば、もっとすごい(見ごたえのある)写真、いくらでも撮れるのに・・・何を好き好んで??と、馬鹿にされそう。写真のクオリティー云々を云われたら、駄目ですね。
まぁ、遊んでいるだけですから。

これは、魚眼レンズ風になってしまいました。
デジタルは万能に近い。撮影は、デジタルカメラ任せでも充分。
撮影者の工夫できる範囲は狭くなっている。
誰もが簡単に綺麗な写真が撮れる。
工夫の範囲が狭くなったので、写真の上手下手は、些細なことを強調することになってしまった。
健康/健全な精神のなせる業だろうか? そんな疑問を持っている。
美しい被写体、珍しい被写体、劇的な景観を探し求め、世界の有名スポットへ・・・
行けば、あれば、確実にデジタルカメラで記録できる。失敗は皆無。
人間、厭きっぽい。特に簡単にできることは。
写真を撮る意欲を・・・・よく維持できるなぁ・・・と心配してしまう。(誰が撮っても同じじゃん)
そこに、写真を撮るという原点の感動はあるだろうか?
「アッ 撮れていた!!」
カメラが古いほど、扱いづらい。撮れていた時の感動はそれだけ大きい。撮れていたぞと、にんまりする。
構図が少々おかしくても、撮ったという感動のほうが、優っている。達成感は高い。

写真の発明者、タルボットは、家の近くで撮った写真が多い。身近の見慣れた光景だが、写真を発明し、それで撮影している、自負と楽しさが漂っているような気がする。
一度、写真の原点に立ち戻り、不便を覚悟、写真のクオリティを無視し、光で描くことの意味を再確認したくて、竹林に遊んでいるのだろう。
デジタル写真かぁ~~これは、これで 面白い。
竹林に遊ぶ七賢人なら そう云うだろうなぁ。
「楽しめるものなら、なんでも楽しめ。」
デジタル写真、楽しんでいますか?
厭きていませんか?
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写真の始まりは、フランスのニセフォール・ニエプスでしょう。
1818年より前に成功していたようです。それはモノトーンで、ヘリオグラフと名づけ、
1827年 世界最初の写真として View from a Window at Gras が残っている。
露光時間は8時間かかっていた。
ニエプスの狙いは、モノトーンではなく、カラー写真の開発を考えていたようだ。
ダゲレオは、画家で、カメラオブスキュラを使い、パノラマ絵画を描き、それを見世物にして成功していたようです。
かれは、その成功に飽き足らず、記録できないかと模索、ニエプスに会い、彼の協力者となる。しかし、ニエプスが1833年死去、ニエプスの技術を遺族から買い取り、ダゲレオタイプの写真を完成させたようです。
それに、イギリスのタルボットがいる。写真の黎明期、調べたら面白い。
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- 2015/05/15(金) 10:43:16|
- 竹林
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