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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

トーンを作ってみる

フィルムの時代、特に白黒フィルムをプロが使用していた時代、プロにとって暗室作業は、作品の良し悪しを決める、重要な技術だった。印画紙に照らし出された画像の一部を、手や切り抜いた紙などで、部分的に隠したり、焼きこんだりし、全体のトーンを整えていた。それを称し、木村伊兵衛など、暗室内で踊っているようだったと語られている。
「トーンを整える」技法から、さらに「トーンを作る」に踏み入ったのが森山大道氏の技法だろう。しかし、それはあくまでも、フィルムに記録された銀塩粒子を、引き出し、一部分のトーンを限定し調整したもの、切り貼りの合成写真ではないと思う。
大道調とも呼べる白と黒の対比が美しい写真、味わいたいなら、今開催されている「遠野 2014」はお勧めの写真展だろう。
遠野物語-1
展示会で無料配布されていたポストカードによれば、2月9日(月)まで開かれている。(8日の日曜は休館です。)
フィルムで撮影し、氏自ら印画紙に焼き付けたものであったら、また、感動と圧倒される思いで見続けたのでしょうが・・・途中から、これはレタッチソフトで編集したものと気づき・・・・フィルムの時代の終焉を宣言されている気がして、少々落胆した。
森山大道調の特徴は、白と黒の占める割合が多い。しかし、中間のトーンがないわけではなく、豊かにちゃんと記録されている。現実(を描き出す中間トーン)と非現実(白黒の対比)を同居させ、日常の街の風景を、ドキッとした別世界に変換する。
黒の美しさは格別である。
ポストカードの写真、全紙大全倍大に伸ばされ飾られていた。部分部分に様々な画像処理が施されているのだろうが、境界がわかりにくい。フィルムで印画紙に手作業で焼き付けているものなら、じっと観察すると、少しずつ境界らしきものが見えてくるのに・・・・
遠野物語 部分-3
これは、ポストカードの樹の部分を拡大したの、フィルムで、このようなエッジを入れるのは難しい。入れるとしたらソラリゼーション現像だが、ネガの一部だけソラリゼーション現像するのは、極めて難しい。
この部分、二次微分フィルター(ラプラシアン)処理したのかなぁ?
エッジを作る画像処理にはどんなものがあるのだろう?
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朝 起きてみると雨。予報では雪。雪が降ったら・・・「寒」の撮影にカメラを持って外出するつもりだったが、雨なので、PCの前に座っている。
暇だ。トーンを作ってみよう。古いフォトショップを開き、練習になりそうな画像を探す。白と黒の多い画像とは・・・夕方の風景だろう。
夕景原画688-11
選んだのが1月の始めに撮影した大崎高校横の夕景。
現像し、ネガをPCに取り込んだもの。
スキャナーに取り込むとき、光の範囲(スパン)を指定し、PCに取り込んでから、トーンカーブで全体を調整している。極端な画像処理はしていません。印画紙の号数を選んだようなものです。
688-11 トーンを作る
フォトショップ、もう10年以上このソフトを使っているのに、フィルター機能を使うの初めて。
Window98の時代から使っている。XPでも使えたが、8.1のOSになると、メモリー管理が甘いのか、時々ハングアップする。スタックがシステムとぶつかるらしい。
フィルターを開け、全体を シャープ処理→アンシャープマスク→平均化→トーンカーブの調整
の4つの操作で、画像は、森山大道調に近づいた。こんな簡単な操作で・・・できるなんて!?
ものの30分もかからず、ここまでトーンを作ることができた。印画紙に焼き付け、効果を確認しながら・・・となると、なかなかできるものではない。(労力と費用の点で)
トーンを作る688-11 Ⅲ
更に一部分を指定し、トーン調整(覆い焼きのようなものか)を施してみた。30分も格闘すれば、この程度の映像が出来てしまう。
最新版のレタッチ・ソフトを使用すれば・・・・もっと簡単に、もっと森山大道風に近づけるのだろう。長い習練が必要な暗室技術も、デジタルになり手軽にできるようになったということか。
「遠野 2014」 フィルム時代の終焉を知らせる晩鐘なのかもしれません。
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P.S 
使用デジカメはキャノンPowreShot G7X   2000万画素程度のコンパクトデジカメ。
使用プリンターは、キャノンのプロ仕様プリンターPROGPF iPF9400。
額装は90cm×70cm、作品は、90cm×約50cmの大きさにプリントしてあった。
全て横位置で撮影。縦位置で写したものがない。
光はほぼ順光を選んで撮影している、逆光で写したものはない。やや逆光気味の写真が1,2枚あった。
ストロボなどの閃光を使ったショットもあったが・・・・どのように光をセットしたか・・・読み取ろうとしたが、わからなかった。
縦横比は約1:1.8 ややパノラマ風にトリミングしてあった。
2000万画素を全倍大に引き伸ばしてある。それでも、エッジが立ってボケた感じはしない。キャノンの技術力を見せつかるための展示会だったような気がします。
アマチュアの方で半切でなければ写真でないと思っている人、どれだけいるのだろう?
4つ切りで充分満足している身からすると、すごい世の中になったものだと思う。
ルイスキャロルのように、写真から身を引く人、ありや無しや?


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  1. 2015/02/05(木) 12:55:37|
  2. デジタルで遊ぶ
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Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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