100年くらい前は、ビューカメラで写真を撮るのが普通だった。ネガは4インチ×5インチ 或は 8インチ×10インチの乾板である。今もそのサイズのシートフィルムは売られている。縦横比は1:1.25。
これが基本になったのか、印画紙のサイズも それに近い。
4つ切りの印画紙の縦横比は1.2で 大きさはほぼ10インチ×12インチだから、エイトバイテンの乾板を、密着で焼き付けることができる。
四十数年前、自分専用のカメラを手に持ったとき、ネガサイズが35mmと小さいので、四つ切まで伸ばせれば良いと思っていた。それは、今でも変わらない。
しかし、35mmのネガサイズ 縦横比は1.5 それを四つ切に伸ばすと、長辺はカット(トリミング)せざるを得ない。
大概は 長辺側をカットし、4つ切り画面に合わせていた。
120フィルム(いわゆるブローニー判)カメラでは 4.5×6、6×6、6×7、6×9などの枠を持つカメラも売られている。
考えてみれば、フレーム枠を自由に選んでいいはずだ。
印画紙に焼き付けるときも、自由に縦横比を変えていいのに、いったんカメラを持つと、そのカメラのファインダーの枠に、視界を合わせてしまう自分がいる。
写真上級者に、「トリミング何かしたら駄目だよ」「せいぜいトリミングしても10%まで」とたしなめられ、「ノートリが基本だ」「フレーミングに厳しく」とたしなめられると・・・・それができない技量のなさに 劣等感を持ってしまう。
払いのけてくれたのが、クーデルカと森山大道の写真。
何を見て、そして何を撮りたくてシャッターを切ったのか、ならば何が余分で、撮らないようにするか・・・大胆にトリミングしていた。
今年は「写したいものを入れ、写したくないものを入れない」を・・・撮影のテーマにしようと思う。それは、同時に考え抜いて撮ること。直感で撮るわけでないことを意味する。(駄目ですかね?また、馬鹿にされるかなぁ。)

右手にテントが張られていた。新年の参拝客に甘酒などを配っていたのか・・・しかし白いテントは邪魔。フレームに入ってくる。テントが目立ちすぎ。大胆にトリミングしてみた。 注目したのは大木と参拝客の対比。R72フィルターを付けたので、葉は白く輝くと予想していた。

こんな撮影法やトリミングが有ってもいいと思う。
これも写真だろう。
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この頃はデジタルになり、プリントサイズがA判になってきた。縦横比が1:√2 1.4 で合理的。デジタル画像の縦横比に近いので、ほとんどトリミングしないでも、そのままプリントできる。
「写真はノートリだよ」 は確かに魅力的な響き。
写真上達者の自尊心をくすぐる言葉かもしれません。
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- 2015/01/15(木) 13:13:16|
- 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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