FC2ブログ

本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

モノトーン 散歩中ふと見た花を撮影 古いカメラと古いレンズ その味は?

小生の性格、あるいは、撮影スタイルの故か、カメラをぶらさげ散歩すると、カメラは自然 街を行く人物に向いてしまう。
道端に花があっても あまり気に留めていない。白黒のフィルムでは、綺麗に写らないという先入観、あるいは花を撮って何が面白い?という傲慢さがあるようです。
それでもこの6年間のお散歩カメラには、いくつかの花の写真が残っていました。
花155-8
香港から来日した女性のお供で、鎌倉に行ったとき撮影したもの。小生がデジカメでなく、古いフィルムカメラを使っているのを、面白そうに見ていました。彼女の手には、日本のコンパクトデジカメが。小生の手には、日本が誇るレンジファインダーカメラの最高傑作(の呼び名の高い/キャノンだと言う人もいるでしょう)Nikon SPが、 と言っても・・・理解してくれますかね? 
まだ梅雨には早い時期でしたが、深い紫のアジサイが咲いていました。もう少ししゃがんで、お堂の屋根を背景に 花を撮影したほうがいいようです。レンズはNikkor 50mm F:2 戦前、ツアイスから技術者が来て、日本光学の設計者にツアイス流の設計法を教えたとか。写りは ツアイスのF:2ゾナーそっくりです。でも、このレンズ最終形に近く、ぼけの美しさでは一番いいレンズだと思います。F:2ゾナーで解像度重視の最終形は、ドイツ製ではなく、ソ連製ツアイスF:2ゾナー Jupiter-8Mだと、小生は判断しています。それも初期製造のF=5cmと刻印されたもの。
F:2ゾナーいろいろありますが、その差はごく僅か。どれもみな優秀なレンズなので、重箱の隅を突っつくようなことは あまり勧められません。写真撮ることに専念すべきでしょう。
花199-3a
夕方、戸越銀座駅近くを散歩していたら、線路際の塀に つる性の花が巻き付いていました。電車が通る瞬間撮影。カメラは共産党時代のソ連製、LマウントカメラZorki-4 1963年製です。レンズは、Induster-50 テッサータイプ、50mm F:3.5 沈胴タイプのレンズです。製造は1964年製。小生の保有するオールドレンズでは、比較的新しいレンズです。解像度もそれなり高く、西側のレンズと遜色ありません。ぼけも綺麗で、密かに、3.5テッサーの最終形ではないかと、個人的には高く評価しています。中古で安価に手に入れられるのもいいですね。
花227-6 kievam
ソ連製で愛用しているカメラは、KievⅡですが、もし、壊れた場合のバックアップにKiev4AMを持っています。
戦後、東ドイツに駐留したソ連はコンタックスの工場を接取(100万ドルで買収したという話もある)、キエフに移し、コンタックスカメラを製造し始めたのは、1948年頃。名前は地名のKiev(キエフ)となりましたが、実質コンタックスです。そのカメラが、ほんの少しの改良(あるいは改悪)のみで、1980年の中ごろまで続いたとは・・・計画経済とはいえ、時代に取り残されますね。コンタックスⅡ型の発売は1936年ですから、50年近く、距離計とシャッター機構を そのまま保持し、生産していた!!なんて、信じがたいことですね。シャッターは、戦前からユニット化されていました。ツアイスの先見性恐るべき。そのため、ソ連製Kievのシャッターユニットをはずし、ContaxⅡに組み込んだものが出回っているようです。そんな話、修理屋さんから聞いたことがあります。
レンズは戦前のツアイスの「35テッサー」1934年製 当然ながらノンコート ContaxⅠ(いわゆるブラコン)カメラにつけられていたものでしょう。「鷹の目テッサー」のキャッチフレーズで有名ですが、知っていますか?
政略結婚で無理やり嫁がされた娘の子供(Kiev)と、本家に残ったテッサー叔父さんが再会した組み合わせですね。
70年近く前のレンズですが、カクシャクとした写りです。おじさん(いや、お爺さんか)すごい。
梅の花を撮影しましたが、梅の花 あまり撮りようがありません。梅は、枝振りを見せるアングルを探したほうがいいようです。
花259-3a
一式カメラにLマウントのPAM Britar 105mm F:4.5 カメラもレンズもいわくありげですね。戦争中、ドイツからライカのレンズが入らなくなったので アメリカ、ニューヨークのメーカーが設計・製造したレンズのようです。完成したら、戦争が終わっていたので、商売的には失敗、会社は倒産。2000本くらいは製造されたようです。ヘリコイドのピッチが合っていないのか、ピントがすごく前ピンです。距離あわせ後換算表を見て、ピントを調整して撮影。物好きでないと使わないレンズです。しかし悪女ほど魅力的。
花259-9
「はなみづき」の写真が好きです。レンズの切れと、背後のボケのバランスが絶妙、いいなぁ~と、扱いにくいレンズですが、時々手が出て、撮影に使っています。
カメラは 安原氏が設計した一式カメラ。 「安原」と「一式カメラ」で インターネットで検索すれば、どのようなカメラか、わかると思います。当倍ファインダー Lマウントというキャッチフレーズに魅かれました。ファインダの二重像が少し見にくいこと、距離精度もあまり高くないこと、の2点が問題かな。内蔵の露光計も動作が不安定で、自動露光に慣れた人には、扱いにくいでしょうね。でも、個人で企画し、よく作ったなと思うカメラです。
花419-1
KievⅡは、愛用しているカメラです。51年製と53年製を保有。修理屋さんとの間を何往復もし、使える状態になっています。47年からキエフでの生産が始まったようですが、50年ごろまでは生産台数も少なく、格好のコレクターアイテムになっているようで、値段もびっくるする高さです。51年以降は徐々に下がり、小生でも手に入れられる価格となります。中古カメラは、修理するのが鉄則です。買ったらすぐ使って駄目出しをし、修理屋さんの手に預けましょう。1955年製のKievまでは、占領したドイツの部品が残っていて、それで組み立てられているという噂があったので、51年製と53年製を手に入れました。レンズは 戦前のドイツ・ツアイスの15ゾナー 1937年製。絞り開放f:1.5でも 実用上問題なく使えます。中心部の画質は、さすがにいいと思いますが、周辺部では、少し像が流れるというより解像度不足。しかし、画面の周辺にはテーマとして狙ったものを置きませんから、通常の使用では何の問題もありません。非点収差があるので、周辺にある点光源に羽がでます。また、ゾナー特有の三角ボケもでます。絞れば 収差、解像度とも改善されます。ただしレンズ最小絞りがf:11まで。イメージサークルが小さいので、f;11では周辺部、時によりですが、ケラレます。安全をみて通常F:1.5~F:8で使用するのがいいでしょう。(オールドレンズだもの、それなりの心遣いを)
この写真、絞りはおそらくf:5.6で撮影。紫陽花にピントを合わせています。電車のボケ具合 良いと思います。現在のレンズと遜色なしと思いますが、いかがでしょう?(今のレンズのほうが紫陽花は鮮明に写るかな?)
花430-10
ContaxⅡaは、西側のドイツに逃れたツアイスの経営者たちが、オプトンの地で生産したコンタックスです。戦前のコンタックスⅡを改良し、少しコンパクトにしています。そのため距離の測定精度が少し悪くなっています。
改悪したとの声もありますが、手になじみやすく、シャッターもContaxⅡより改良され、頑丈になったと思います。軽いシャッター音 小生好きですね。戦前のツアイスのBiogon 35mm F:2.8は、このカメラにつきません。レンズがカメラにぶつかります。Biogonのソ連版Jupiter-12も駄目です。でも、Biogon(Jupiter-12も)はS型ニコンに装着できます。ピントも問題なく、実用的に使用できます。(ただし、ソ連の工作精度から、Jupiter-12をS型ニコンへの装着するときは慎重に、硬かったらやめたほうがいい)
テッサーお爺さん、西側に逃れた本家筋のご長男に再会した、というところです。小生の掌の中で喜んでいました。歴史を思うと、カメラといえど ぞんざいな扱いはできません。
機械式カメラは道具、自動映像記録装置ではありません。使っていると手になじみ、使う人の癖を覚えてくれる感覚があります。7年で修理不能の烙印が、そうなればくずかご行きの自動映像記録装置とは、思い入れが違ってしまいますね。

スポンサーサイト
  1. 2013/05/25(土) 14:27:11|
  2. 樹、草、花 
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<デジタルカメラで オールドレンズの味わいを | ホーム | ふと撮った1枚の写真から記憶の鍵が・・・>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://alchemystsasaki.blog.fc2.com/tb.php/41-a75c92ab
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
散歩にカメラの生活もついに12年目に突入。10年も続ければ、何かを掴めると思ったが、デジタルカメラの渦に弾き飛ばされ、未だ写真の眼を掴めないでいる。
絶滅危惧種のフィルムカメラでは、無理なのかなぁと嘆息。
冷蔵庫に100フィート長巻フィルム4缶、保存してあるので、
あと一年は撮り続けられます。それからどうするか考えることにしました。

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

読み解く写真、心に残る写真を・・・ (93)
思い出の写真 (25)
遥かなる寧夏 (35)
新幹線の見える街 品川 (6)
フィルムの眼 (34)
レンズの眼、カメラの眼 (26)
映し出された世界 (21)
水辺の光景 (14)
勝島運河 (7)
写真の技法 (133)
ある場所、ある瞬間 (47)
デジタルで遊ぶ (28)
Silent City (7)
??? (15)
Street Photograph (23)
都会の景観 Tokyo (154)
Night walk in Tokyo (33)
散歩 (180)
猫、犬、鳥 (8)
白木蓮 (14)
黒い花 怪しい花 (10)
樹、草、花  (58)
桜  (84)
ひまわり (35)
竹林 (11)
八つ手 (7)
百日紅(さるすべり) (27)
オールドレンズの密かな楽しみ (29)
人物 ポートレート 踊り (34)
Photo彩遊 (27)
品川宿 (6)
その他  (29)

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR