今、手元に「傷だらけのゾナー」がある。
4年ほど前、yahooオークションで手に入れたもの。
ネットサーフィンしていると、S型ニコンは、ContaxⅠ(通称ブラコン)のフランジバックを採用し設計しているとの記事に出会う。
それなら、Ⅰ時代のレンズ(ゾナー)ならニコンSPと完全な互換性があるはず・・・と、確かめる意味で落札していた。
ブラコン時代のゾナー、良品は非常に高価だが、ジャンク品なら500円MAXだろうと・・・・セリに参加していた。価格は上昇、結局2000円で落札した。
商品説明でもレンズ表面に傷があるジャンク品と断り書きがある。受け取ってみると、確かに細かな傷が無数にあり、曇りガラス状態だった。う~~んと唸り、そのまま2年ほど・・・ピントが合うかのテストもせず、防湿庫の片隅に。
SonyNEX-3のミラーレスなら、ピントの問題は解決する。
ソフトフォーカスレンズになるのでは?と思い直し、日の目を見るようになった。

f:2の開放で撮影。
光の状態は、曇天。柔らかな空の光が当たっているだけ。太陽の日差しが入ったら輝くように滲むだろう。
ボケ具合柔らかく、このレンズでしか出せない味がある。

f:8まで絞るとかなりしっかりした画像になるが、やはりどこかソフトな感じがする。

開放f:2では被写界深度が浅い。上部の枯れた小さな向日葵にピントを合わせたが・・・解像度不足だろう。背景のボケ柔らかく、小生の好み。

f:4まで絞ると枯れた向日葵の解像感はよくなる。背景や、白い柵が目立つようになり、主題(モチーフ)が目立たなくなる恐れがある。どっちがいいか考えてしまう。
このレンズ、光が柔らかい状態で、f:2の開放で使ったら面白いかも・・・・と思い。スナップ撮影していた。

ピントは合っているような、外しているような・・・(外しているでしょう) 解像感はありません。絵画風でもありませんが・・・ポートレートを撮影したら、肌のディテールは柔らかく滲むような調子に仕上がるかも・・・このレンズでポートレート撮ってみたい。

正統なスナップ写真ではありません。しかし、こういう切り取り方が好き。
現在の高画素レンズでキリッと撮ったら面白かったかも。
1960年以降 カメラは大衆化し、厳密/効率的な生産管理のもと、工業製品となった。
名前が同じレンズなら、同じ写りが保障される。しかし、大量生産では手作り感は失われる。鏡胴/作りもなぜか安っぽく感じる。
戦前のf:1.5ゾナーの鏡胴は真鍮製にクロームメッキを施し、今も輝いている。ずっしりとした重量感があり、かすかな擦れがあるだけ。手にすると、工芸品(宝物)と崇めた歴代の所有者の心配りを感じる。
マイスターが一つずつ調整し組み合わせ、レンズに仕上げていく。同じ名前のレンズでも、微妙に違い、好みのレンズにぶつかったら、余人を以って代えがたし。(人ではないのですが・・・思わず)
しかしこの「傷だらけのゾナー」あまりにも傷が多い。歴戦の勇士か、どんな修羅場をくぐり抜けてきたのだろう?
老兵は静かに消え去るのみ・・・にはさせたくない。
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- 2014/11/28(金) 11:46:18|
- オールドレンズの密かな楽しみ
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