この画像、「大崎夕景を、傷だらけのゾナーで捉える(1)」に載せた画像の再録です。

評価の結果は芳しいものでなく、
「傷だらけのゾナー、やはりコントラストは低下している。タイルが汚く写っていた。」
というものでした。
一番上のレンズ表面に、細かな傷が無数あり、そこで乱反射し、画像にフレアーがでる。コントラストの低下は致し方ない。しかし、基本的なレンズの解像度は高いので、撮り方によると、画像に芯が残り滲んだようなソフトな描写力を発揮する。デジタルでテスト撮影したときは、そう判断したのだが・・・
フィルムを使った薄の撮影でも、白い穂は滲み、ソフトな感じに撮影できた。
なのに、どうして、この広場の写真は、こうも汚く写ってしまったのか??
何故だろう?考えても解答が思いつかない・・・ならば、実験と、NEX-3に傷だらけのゾナーをつけ、撮影した場所へ行った。

フィルムで50mmのレンズは、APSサイズのソニーのデジカメでは75mmに相当する。
f:2での撮影にもかかわらず、像の崩れは意外に少なく、しっかりと写っている。(現在のデジタルカメラのレンズとは比較にはなりませんが)
タイルも汚れた感じはなく、滑らかです。驚いたのはPのマークと、その上の矢印。
フィルムでは、Pのマークはざらつき、コントラストも低い、上の矢印はほとんど消えかかっている。
同じレンズなのに、この差はなに?

f:5.6まで絞ったら、車道の石、一つ一つまでコントラストの利いた画像になっている。光の当たり方かなぁと思えど、このレベルなら使ってみたいと思わせる。レンズに味がある。舗道を歩く女性の脚が2本だけ写り、あとはブレてわからなくなっているのも、不気味で面白い。

ピクセル等倍まで拡大してチェックするのが、デジタル時代の画質評価法のようである・・・それが好きな人もいるだろうが、銀塩の粒子で育った小生には、違和感が残っている。
エッジは丸まり眼に優しい感じがする。現在のデジタルカメラのレンズでは出せない味でしょう。しかし、ピクセル等倍まで拡大したら・・・・画像になっていないと低い評価を受けるでしょうね。

こういうぼけ具合、エッジに丸みがあるのが好み。「傷だらけのゾナー」とデジタルカメラの組み合わせ意外といいものだ。
「傷だらけのゾナー」・・・・、すごい!!と褒めたいが、褒めるべきはデジタルカメラの処理プログラムだろう。
写真の質(画質、クオリティー)を決めるのはデジタルカメラのプログラム、レンズの比重は下がっているとみるべきだろう。ジャンク品レンズでも、(小生が)満足する写真は撮れる。(フィルムでは無理でも)
デジタルの画像素子に当たった光は、フィルムに焼き付けられた画像と同じものだろう。素子上の電気信号を画像にするのは、内蔵されたコンピューターの働き、様々な画像加工処理をしていると推察する。ノイズは平均化され目立たなくなる。あるいはカットし、タイルは平滑さを増す。目地などの線は、まっすぐ引かれる。文字のエッジはくっきりと処理し、読めるようになる。
銀塩フィルムでは、銀塩粒子の不揃いから、線幅はバラツキ、タイル表面は不均一で滑らかさに欠ける。解像感はデジタルに及びもつかない。
更にデジタルでは、色合わせ、ピクセル単位のデーター補完、収差の補正、ボケのコントロールも可能だろう。
処理プログラムの良し悪しが、画質を決める大きな要素、ソフト作りがカメラメーカーの開発の中心になっているのだろうか?
純正のレンズなら、その癖をプロファイルしておき、ピクセル等倍でもOKとなるように画像加工(最適化と誤魔化す)を施すだろうと想像する。
画像処理プログラムは、人が作る以上、人為的である。さじ加減でいろいろなテーストを付け加えることはできる。
だから、「傷だらけのゾナー」でも、どうにか鑑賞に堪える画像となる。
それって本当の画像なの?どこまで生データで、どこまでが加工か?疑い深くなってしまう。
ライカのデジタルは高画質、さすがにレンズは最高だ。ニコンもいい、富士のカメラ、フィルムメーカーだけに、発色がとても綺麗。各社、各様のカメラを販売しているが・・・ちょいっと疑い深くなる。
騙しているのか、騙されているのか?
ブランドイメージは大切です。
高価なカメラ、よく撮れるに違いないという心理が働く。初心者向けと言われるデジタルカメラでも、画質は充分だと思うのだが、それでは、高価なカメラを選んだ見識が疑われる。少しの差異も見逃さず針小棒大に解釈し、薀蓄を語り、自分を納得させる・・・上手い販売戦略です。
「傷だらけのゾナー」が語るのは、そんな警告ではないかと思いました。古いレンズでも、意外によく写ります。それがデジタルカメラの良いところ。・
ようは、自分の目的に合ったデジカメを選ぶだけでしょう。
過去のオーラを取り除き、単なる画像変換装置と割り切れば、意外と冷静に判断できるのでは。
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- 2014/10/24(金) 08:12:32|
- Night walk in Tokyo
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