撮影時、モノトーンを指定できるデジカメならそうすべきだろうが、多くはカラーで撮影、レタッチソフトで、白黒に変換している。
長年、白黒フィルムで撮影してきたので、どうしても眼は白黒の光線を追ってしまう。それをデジタルカラーで撮影し、白黒に変換して、白黒フィルムで撮影したようなテーストが出るのか、それとも、デジタルモノトーンと呼ぶべき新しい表現法になっていくのか・・・興味深い。デジタルがフィルム表現を含み、さらに違った領域をもカバーするのであれば、白黒フィルムを使う理由はなくなる。

銀塩フィルムなら狙う光線。半逆光。たっぷり目に露光をかけて、暗部をつぶさないようにする。この光の状態ならフィルターの効果は薄いだろうが、場合によってはYあるいはYGフィルターを選択するかも。
それをデジタルカラーで狙ってみる。
SonyNEX-3 モードは「おまかせオート」で撮影した。
そのまま 白黒に変換してみた。

平凡な写真になる。不可とはいえないが・・・満足できる写りではない。
RWA現像するとき、D-レンジオプチマイザーで、暗いところを起こし、ハイライト部を抑えてみた。

ベンチに座る人達、後方の自動販売機の階調がおかしい。滑らかにつながっていない。
白黒に変換してみる。

画像をRAW現像でいじると、階調性が失われる。中間の色がなくなり、櫛の歯のように飛んでしまうのだろう。
本来は異なっている灰色が、同じ灰色となって画面を覆う。
撮影したRWAデータを現像し、レタッチソフトに16ビットカラーとして画像を受けとる(TIFF)。
各色16ビット、正確に光の強度を記録しているなら、すごいと思う。
少々の画像処理でも階調性は滑らかにつながるだろう。
しかし実際は、各色12ビットで処理しRAWデーターとして保存している(と推定)と思う。
現像処理で、途中のトーンが櫛の歯のように欠落してしまったようだ。
組み込まれているADコンバーターの精度の問題か、現像ソフトの問題か・・・わからない。
-------------------------------------
7年ぐらい前、デジタル一眼を購入しようと調べたとき、撮像素子の感度特性は、明るいところで寝てしまうが、暗い部分は足があり、全体のダイナミックレンジは、3桁すなわち1000の位に届いていた。ほぼ、銀塩に並んでいた。このまま技術が進めば、ダイナミックレンジは確実に銀塩を超える。デジタルなので、暗部の足の部分のゲインを上がれば、すごいことになる・・・・
1000なら10ビットでOKだが、0.25単位で量子化し4000の階調に分ければ(12ビット)、綺麗なカラー写真になるだろうと思った。
------------------------------------
デジタルカメラの価格と、階調性には、相関性があるのだろう。
Son NEX-3でも、普通の使い方では、あまり欠点に気づかない。
わかるのは、高級なデジカメと同じ被写体を撮影し、見せ合ったとき。
現像シフトや、レタッチソフトで、凝った画像処理をしたいと思ったとき。
やはり高価なデジカメで撮影された画像データーは、余裕がある。
撮像素子、ADコンバター、画像信号処理基盤、ソフトウエアが画質を決めている。もはや電子機器の世界になっている。画質は、デジルカメラのボディーで決まる。画質が財力で決まるとしたら・・・・
Sony NEX-3 どう使うべき?

これは、フィルムで撮影したもの。無理に空を焼きこんでいる。ビル、道路など、かなりメリハリがつくようg(傾き、コントラスト)を上げているが、階調性は滑らかにつながっていると思う。それに、銀粒子が現れザラッとしているが、70年代のコンポラ写真のおかげで、違和感を感じない。
-------------------------------
40年以上前は、レンズが画質を決めていた。そこで、良いレンズを1つ購入し、それを互換性のある安いボディーにつけて撮影するスタイルが多かった。高級なカメラであれ、安いカメラであれ、使うフィルムは同じ。高級機でTri-Xなら、安いカメラもTri-Xを選べばよい。写真の画質は同等である。差は、カメラマンの腕だけだろう。いいレンズが1本あれば、永久に使える様な気持ちでいた。
画質はデジタルカメラのボディで決まる。電子機器製品の寿命を考えるとは、それほど長くは使えない。プロなら、それが当たり前でも、アマチュアはどうだろう?
子供の成長を撮ってきた。個人的な思い、撮影時の記憶をカメラは吸い込んでいる。捨てられない。デジタルへの完全な移行・・・・機械式カメラに慣れ親しんでしまった小生には無理かも。もうNikonF、NikonSPとは45年以上の付き合いになる。
-----------------------------------------------
今のところ、デジタルモノトーンとフィルムの白黒は、別物なのだ。(と思いたがっています)
この結果から、デジタルが、フィルムにとって代わるには、まだ、時間がかかるだろう・・・と思いたいが、意外と近いかも。
そんな予感がしています。
ライカのモノクロームMは高すぎるが・・・
スポンサーサイト
- 2014/07/20(日) 14:48:09|
- 写真の技法
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0