FC2ブログ

本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

赤外線フィルムで柳を撮る 露光かけ方の違いは?

100フィート巻きのRollei赤外400Sフィルムを購入。
現像条件や撮影条件を知るため、テスト撮影をしてきた。
Rolleiの名だが、製造はアグファ。少し前まで、アグファはドイツ、バイエルの子会社だった。
バイエルは、現在も世界の化学会社のトップグループに入る。仕事の関係で、数回、レバークーゼンの工場/本社を訪れたことがある。川に沿って2km×8Kmの敷地だったか・・・・化学プラントがひしめき、圧倒される思いだった。世界最高の化学技術を有する。
戦前からアグファのフィルムは有名だったが、日本にはあまり入ってこなかったようだ。
終戦により、ドイツの科学技術の秘密は公開される。PBレポートになって、自由に使えるようになる。
写真関係で、我々になじみがあるのは、ツアイスのコーテング技術。それにアグファのフィルム技術だろう。
それまで、レンズのコーテングは、ツアイスの独占、軍事機密扱いだった。
アグファの感光剤・フィルム技術がPBレポートとなって公開されると、戦後のフィルムの品質は急激によくなる。
祖父の話では、戦前、フィルムの現像、水洗、乾燥には、細心の注意が必要だったという。
19℃~20℃に一定に保ち現像。現像温度が25℃を超えると、ゼラチンが溶け出し、画像がだめになったと言う。
フィルム乾燥も、気温が高く、湿度が高いと、フィルムに縮緬状のしわができ、だめになる。
今のフィルムなら、25℃の現像でもへっちゃら、乾燥も、気にせず干しておける・・・感度も100だ、と喜んでいた。
そのアグファ、Rollei赤外400Sのフィルムはポリエステルだった。非常に透明度が高く、強いフィルム。
コダックのTri-Xフィルムは、伝統的なアセチル・セルローズ。水洗しても、ベースに濃度は残ります。現像するとフィルムは少し膨潤し伸びる。乾燥すると縮み戻る。ポリエステルフィルムは膨潤しない、そのまま。
ゼラチンで銀塩を分散し感光層をフィルムの上の作るはずだが・・・・このフィルム、ゼラチンに銀塩を分散させているのだろうか?そんな疑問も出てくる。
勤めているときなら、会社の研究所に行き、赤外線分光器に掛けて反射のIRチャートをとれば、解明できるだろうが・・・
退職しているので無理だろう。現像液の調整に水道水を使ったら、フィルムを拡大すると、黒点がたくさん出ていた。水道水に含まれるカルシウムイオンの影響だろう。(東京の水道水15-30ppmのカルシウムが溶けています。もちろん軟水に分類、洗濯に問題ないレベルです。) 従来のフィルム(ゼラチン)では、こんな問題が発生しなかったので、アグファの感光層は、化学合成した有機エマルジョンが使われているのでは??と推察。恐るべし、アグファの開発力。
イオン交換水でカルシウム無しを使用したら、問題は解決した。
いろいろ考えさせられ、また、試行錯誤をしながら、ようやく、このフィルムの特性をつかみだしたところです。
柳647-1b
写真を撮るのに、理論は無用、感じたものを直感で捉えればいい・・・とは、言いたいが、そうは言い切る自信はもてません。
レンズは光学理論だし、感光剤は化学理論の上に成り立っている。デジタルの撮像管のCMOSのIC、これは、小さな半造体でできたコンデンサーのようなもの。理論はある。
理論を知らないで、写真は撮れない。撮れたとしたら、それはカメラメーカーの開発者たちの努力のおかげ。彼らが理論部分をサポートしてくれたからだろう。
赤外線は、人間の眼には見えません。見えない赤外線を感じ、直感でフレーミングしシャッターを押せるだろうか?
できない、だから、無駄と思っても、さまざまな光線状態の場所で、テスト撮影をし、経験する。それを整理し、次の撮影の参考データにする。この場合は、こう撮れるだろうと推察する。現像も、整理し、理論化していく。
柳647-2a
この2枚の写真、同じときに撮影。テスト撮影です。露光に二絞りの差があります。下から1/3の幹にピントを合わせています。そのあたりなら、柳全体を撮る場合、被写界深度の中心になると思ったから。(直感で決めていません)
ピントを合わせた後、距離補正をするため、レンズを回転、ファインダーで覗くとピンボケになっていて、ちょっと不安。理論と経験を信頼し、シャッターを切る。
直感で撮っていないので、どちらがいいのか、迷ってしまう。ローキーもハイキーも、それなりに面白い。
グダグダ理屈を言って撮るから、こうなる。理屈でいい写真が撮れるはずもない、だからいい写真撮れないのだよ と注意されるだろう。致し方なしか。
撮影の細かな操作はすべてデジタルカメラ任せ、いいなと思ったら、直感でシャッターを切る、それが今の時代の、写真の本道かも・・・
スポンサーサイト



  1. 2014/07/05(土) 12:14:28|
  2. 写真の技法
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<六本木一丁目近辺  写真撮るのに理屈はいらない・・・・ | ホーム | 紫陽花の花 古いカメラと古いレンズで・・・>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://alchemystsasaki.blog.fc2.com/tb.php/308-3702145a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

読み解く写真、心に残る写真を・・・ (126)
思い出の写真 (25)
遥かなる寧夏 (35)
新幹線の見える街 品川 (6)
フィルムの眼 (108)
レンズの眼、カメラの眼 (38)
デジタルカメラは記録機器 (13)
映し出された世界 (29)
水辺の光景 (19)
勝島運河 (18)
写真の技法 (147)
旅行・観光 (7)
ある場所、ある瞬間 (102)
デジタルで遊ぶ (29)
Silent City (8)
??? (22)
Street Photograph (26)
都会の景観 Tokyo (204)
Night walk in Tokyo (33)
散歩 (276)
猫、犬、鳥 (9)
白木蓮 (19)
黒い花 怪しい花 (59)
樹、草、花  (73)
桜  (139)
ひまわり (38)
竹林 (11)
八つ手 (9)
百日紅(さるすべり) (29)
オールドレンズの密かな楽しみ (33)
人物 ポートレート 踊り (35)
Photo彩遊 (27)
品川宿 (9)
その他  (32)

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR