サイアノタイプ(青写真)用の印画紙、昔は市販されていたようだが、現在はどうなんでしょう?
印画紙の材質は、青写真の大きなファクターになる。どんな物質が紙に存在するかで、色調や感度が異なり、それに合わせ、現像の方法も微妙に変えないと、良い結果がえられないようだ。それに「作品」として鑑賞するなら、紙の風合い、手触り感も重要である。
しかし、今は開発の段階、感光剤の開発が当面のターゲット。組成をどするか、そのファクター(因子)の発見がテーマ。材料費は安いに越したことない。印画紙用の紙は、百円ショップのお絵かき帳を使っている。A4版の青写真なら、薬品費を含め、20円もあればできる。高解像度/高階調性の青写真にはならないが、開発中なのでコストはなるべく下げる工夫が必要だろう。
青写真用のネガ原版はプリンターで打ち出して作るが、OHPフィルムだと、A4で一枚 百円近くする。専用のデジタル・ピクトリコフィルム(最終的には、このフィルムをつかうつもりだが・・・)はもっと高価だろう。
昔使っていたトレーシング・ペーパーで、ネガ原版を作成できないかと、試してみた。
老妻が書の模写に使用したトレーシングペーパーが 残っていたので、それを早速頂く。
案ずるより産むが易し、何度かトライすると、それなりのネガ原版ができてきた。
OHPフィルムに比べると、見劣りがするが、安いのが魅力。A4一枚六円ていど。これなら、失敗を恐れず、どんどん使える。もっと上質なトレーシングペーパーなら、インクの保持量も多くなるので、階調性の高いネガ原版が作れるかも・・・(A4で10円程度)早速、注文しなければ。

トチマンのトレーシングペーパーNo950T 一番薄い(安い)トレーシングペーパー A4 50枚入りで325円で購入している。数年前の特売品のようだ。
プリントしてみると、裏と表でインクの吸収量が違うようだ、裏を使用。プリンターの設定は、インク量を減らすようにした。さもないと、画像がインクで濡れて流れてしまう。もっと厚手の高級品(といっても倍くらいの価格)に替えたほうがいいだろう。
デジタルカメラで撮った、5月のつつじ、カラーを白黒にし、ポジからネガに変換し、プリントしてネガ原版を作った。
印刷面を、作った青写真印画紙と重ね、ガラスで密着させ露光した。
生憎、本日は一日中雨。空からの光が入るところにおき、焼き付けた。露光計で測った照度はEV16、ISO400のフィルムなら、f:2.8で1/500のシャッターを切る明るさである。
そこに一時間放置し焼き付けを行った。
感光剤は開発中のM4組成。

紙に特殊な薬品(金属凝集剤も自製しました。)をあらかじめ塗布し乾燥させておきましたが・・・・感光剤 均一に塗るのは難しい。結果は思わしいものにはなりませんでしたが、面白いことに、現像時間が極端に短くなりました。
発色は、キレート化学の世界です。条件によれば、瞬時に終了したり、時間がかかったり。未反応薬剤も簡単に洗い流せたり、遅かったり。基材との相互作用、親和性なども勘案しないといけないのでしょう。意外と複雑です。

近所の紫陽花の花をデジタルカメラで撮影。今が旬の紫陽花、すぐにPCに取り込み、プリントしてネガ原版を作成する。
作ってあった画用紙・印画紙に重ね焼き付ける。

注意力散漫、重ねる面を間違えていました。左右逆になるはずが、同じになってしまいました。露光に一時間かかります。晴天なら5分以下。雨が降っているので、紫陽花の撮影にはいいが、日光写真には不適。もっと光を!!
再度、焼き直しする気力は失せました。
現在、感光剤の開発はM5、M6に進んでいます。かなり、反応のメカニズムがわかってきました。(と、内心思っていますが、証明するには、機器分析が必要。おそらくGC-Massで物質の特定が決めてになると 思います。依頼分析すると大変な額を請求されるでしょう。トラップ、誘導体化、GC-Mass測定・・・)
家庭の設備では、無理。しかし、だいぶ反応メカニズムわかってきました。要因を絞り込めたので、感光剤の開発は、6月中には終了するでしょう。
あとは、用紙の選定と現像の最適化、最後に調色の検討ということになります。暇つぶしにはいいテーマです。
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- 2014/06/06(金) 18:43:35|
- 写真の技法
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