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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

サイアノタイプに挑戦(4) 紙質、感光剤、現像処方

今まで学んだ(蓄積した)化学の知識を使えば・・・独自のサイアノタイプ(青写真)を作れるのではと・・・おごった考えで進めたが、意外と難しい。
「サイアノタイプ」 19世紀中ごろにできた技術。それから150年以上の年月が経っている。過去の技術、「改めて検討?酔狂な奴」と馬鹿にされるのがおちだろう。
「サイアノタイプ」の役割は終わっている。もはや愛好者が楽しむ趣味の世界で生き延びるだけ。経験とかコツが物言うほうが、面白い。
とはいえ、やはり 化学を学んだ人間としては、不満が残る。
三価の鉄が光還元され二価の鉄になる。二価の鉄とフェリシアン化カリが反応しプルシアンブルーの発色をする。それがサイアノタイプの原理と説明されているが、この説明では、現代の化学んだ人は、納得できないだろう。
光化学は、この150年で進歩。「では、その時 同時に酸化されたものは何?」とすぐに疑問を持つ。反応機構、発色のメカニズムが知りたくて、ネットで調べたが、日本語のサイトには見つからない。英語圏のネットでは、何件か有益な情報が見つかった。
光化学、キレート化学、紙の組成・構造と鉄化合物の相互作用などが、絡まっていることが、わかってきた。
要素を簡略化し、仮説を立て、実験をして確かめるのが 科学の王道。わかれば「なんだ、こんなことか」となるが、現在はまだ、霧の中、鋭意、実験を進めている。研究するには、手元に 分析機械、分析道具もありませんが・・・・家庭用のものを流用し、できるところまで解明するつもり。
最終目的は、グラデエーションの豊かな青写真を作ること。
いま、少し解明が進み、その結果から、感光剤の改良と、現像法の改良をしています。
階調性はだいぶよくなったと、思います。
原画586-1a
フィルムスキャナーで取り込んだこの画像を原画としました。
ネガDSC09475
OHPフィルムに、この画像を打ち出し、青写真用のネガフィルムを作成。プリンターは、キャノンのMP-600、水系染料プリンタで作りました。ポジをネガに変換、左右を反転させています。原画よりコントラストは落ちています。
背景にピンボケになっていますが、薄らともう一匹の鯉が泳いでいます。これが、青写真でも判別できるようになれば、合格でしょう。
S-1DSC09481.jpg
S-1感光剤は、ネットに記載されていた組成です。百円ショップのお絵かき帳の画用紙に塗布し、作成。水現像が推奨されていますが、独自の現像液と現像法を開発しています。それなりのメカニズム解析を行い、薬剤を選び、処理手順を工夫しました。しかし、工夫しても、後ろにいる鯉の姿は出てきません。鱗のディテールはつぶれてしまいました。前ひれもはっきりしませんが、作品として見たら、これが一番。 底なし沼から浮き上がってくる魚のイメージを撮りたかった。これ、いいかなぁと思えど、 開発の目的からは 離れています。
M-3DSC09482.jpg
M-3処方の感光剤は、光の感度が、標準に比べ2~4倍速くなっています。(これも、光反応メカニズムが少し解明できたので・・・)それに対応した現像法が必要になりました。鱗の描写力、少しアップしましたが・・・まだまだです。
M-1DSC09476.jpg
百円ショップの画用紙をインクジェット用写真紙に替え、M-1処方の感光剤で印画紙を作りました。階調性を上げる処方です。
ネットで紹介されている水現像の仕方で処理できます。前ひれ、後ろひれ、鱗、後ろを泳ぐ鯉の姿も、どうにか判別できました。しかし、暗い部分の濃度は不足、グリーン掛かった色調も、あまり好きになれません。現像終了後、調色し、深い紺色に変換できたら、満足できるレベルになるかも・・・と、頭の中を調色用化合物の候補/構造式が飛び交う。・・・・悩むところです。(まだ、調色の検討には入っていません。)
M-4DSC09477.jpg
いま開発中のM-4処方感光剤。今までの反応解析から、この処方がベストなはずが・・・まだ今一、現像方法をもう少し考えないといけないでしょう。
白黒原画なみの階調性のある青写真ができたら、いいですね。
キャパショック、ビビアン・メイヤーショックから、カメラを手にするより、実験台/(実際は台所)の前に立ち、作業に没頭、一種の逃避でしょうか。
仮説を立て、薬品の調合をし、テスト実験して、仮説をチェックする。失敗データはそれなりに貴重。失敗データから、また新たな仮説を組立、実験する。時間はアッという間に過ぎていく。
昔を思い出す。これもやはり 面白い。

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  1. 2014/06/01(日) 22:01:33|
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Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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