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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

何?

感光剤が発明され、写真が生まれる。写真の立ち位置は、絵画の下に置かれていた。
ステーグリッツは20世紀初頭、眼前の光景を正確に記録できる「光の絵」を絵画から独立させようと画策した。レンズの眼を通して捉えた「光の絵」には、人の計らいを排除した潔さがある。
この考え方の行きつく先は、フォット・ジャーナリズム。第二次世界大戦は、写真の威力/存在意義をはっきりと認識させてくれた。そこに、キャパが立っている。
見ている事実を、レンズの眼で、しっかりと記録する。それが写真。
演出を加えたら、事実ではなくなる。「ノイエ・ザッハリヒカイト」と吠えた土門拳に通じる。
木村伊兵衛は、それを街角のスナップでやって見せた。人の動作、所作、眼差しのいくえ、そのうつろいやすい瞬間を、カメラの眼でとらえる。今となって振り返ると歴史を切り取っていた。
街角アマチュア・カメラ・ウーマン ビビアン・メイヤーの視点も、同じだろう。撮られている人も暗黙の了解、なかには「むっと」不愉快そうな人まで写っている。こういう写真が、許され、写されたのは、戦後フォット・ジャーナリズムが盛んな時代背景があったからだろうか。
フォット・ジャーナリズムは、1980年ごろになると衰退していく。テレビの発達、ベトナム戦争の終結が大きな契機だろう。米軍は、戦場カメラマンの行動を妨げなかった。そのため、米軍に不利な画像もたくさん流出。米国では反戦運動が活発化する。以後の戦争では、米軍は戦場カメラマンを規制するようになる。
テレビの発達も追い打ちをかける、写真から映像になる。映像を個人的に持っていることはできない。写真なら、雑誌にその記録写真が残るが、テレビでみた映像では、再び同じ映像を見たい・・・と思っても無理がある。
小生の写真にたいする意識はそこで止まっている。カメラに興味を持ち、カメラ朝日とか、毎日を見ていたのは1960年中ごろからの10年間。そのうち実際にカメラを持ち撮影していたのは、学生時代を挟んだ5年ほど。
その後の写真の発展を知らない。意識のブランクはあるなぁ・・・と思う。
努めて、若い人の写真展を観に行くようにしているのだが、どうもピンとこない。
作者に尋ねると、胸を張って撮影の意図を得意げに話してくれるのだが(こんなこと分からない?素人だな この老人は、という顔をされてしまう)・・・小生には、展示されている写真 何をとったか、どんなカメラで、どんなテクニックを使ったかは、わかる気がする・・・しかし、何故撮ったのかよくわからない。写真の進歩から取り残されたからかなぁと思う。
携帯電話で、あるいはタブレットPCで簡単に写真が撮れる時代になっている。また新しい写真表現が生まれてきているのかも。その進歩が、わからないのだ。
旧人である小生、なぜ撮るのか?と1960年代に心は戻っている。 キャパに、あるいはビビアンに尋ねたら、即座に「これは(大切なもの)言葉では説明しきれない。シャッターを切るだけさ」と答えるだろう。いい写真には、撮影者の「撮っておかなければ」という内的な必然を感じる。・・・本当に大切なものは目に見えないのだから。
できれば、ビビアンのような写真を撮ってみたい。
できれば、ケルテスのような写真を。
できれば、ウイン・バロックのような写真をとってみたい・・・ みな、古い写真家ですね。
すこし、キャパショックから立ち直ってきました。
そろそろ、カメラを持ってお散歩カメラを再開するかなぁ。
奇妙な640-5
今月の初め、散歩して撮った一枚。なんだこれは??とシャッターを切る。
演出、合成の写真ではありません。ストレート・フォットです。

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  1. 2014/05/29(木) 12:18:40|
  2. ???
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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