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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

サイアノタイプに挑戦(2) 印画紙の増感を考える それとも 増感現像法を?

ネットでサイアノタイプの写真を作っているサイトを見る、そして読み、考える。
有益なことが書いてあるが・・・化学の知識は?ちょっと首をかしげたくなる記述が多い。しかし、面白い事実を教えてくれる。試さねばと思う。
現像終了後、薄いオキシフル水溶液で処理(霧吹きで噴霧してもいい)すると、色が濃くなりコントラストが上がるという。
何故だろう。
三価の鉄イオンを、光によって二価の鉄イオンに還元する、その二価の鉄と三価のフェリシアン化カリウムが反応しプルシアンブルーを生じるというのがサイアノタイプの原理のはず。三価同士では、濃い青色は発現しない。
光還元でできた二価の鉄を オキシフルでわざわざ三価に酸化して色が濃くなる? 考えづらい・・・不思議、何故だろう?
鉄イオンと過酸化水素水(オキシフル水)の組み合わせ? 聞いた瞬間、フェントン反応だと思い当たった人、化学を勉強していますね。しかし、フェントン反応、約100年前に見つかった反応だが・・・メカニズム意外と複雑。しかも光も関係しています。こともなげに「オキシフルで像が鮮やかに、コントラスト増します」との発言、小生びっくり!! 確かめなければ・・・とは思いますが、同時に 大変な化学の世界に迷い込んだ気がします。
この事実を受けてか、「酢酸で酸化し鮮やかなプルシアンブルーが生成する」と説明するサイトもありました。酢酸で酸化したら、当の酢酸は還元され、アセトアルデヒドに変化する? カルボン酸を直接還元はかなりハードルの高い化学反応。エスエルあるいは、酸クロライドにしてから還元反応だろう。それに、アセトアルデヒドのにおい、臭いですよ。発生したらすぐわかる。
水現像後、薄い酢酸溶液で1分程度処理し、乾燥すると、やがてゆっくりと色が深くなっていく。これ空気酸化?かんがえづらいなぁ。
違うメカニズムが働いているのだろうが・・・・
ネットサーフィンでは、面白い事実を集めることはできて、有益ですが、メカニズムに立ち返り論理的に考えていくには・・・情報不足。やはりちゃんとした文献調査が必要かなぁ。
おそらく古い文献を探すことになるので・・・国立図書館でCA(ケミカル・アブストラクト)を見て(検索して)みるか。大変だぁという気持ちと、暇なのだからとやってみるかの気持ちが、心の中で戦っています。
感光剤を改良し、画像のダイナミックレンジを大きくする方法と、
現像液を改良し、画像のダイナミックレンジを大きくする方法、
その二つがあるはずと、考え、
今回は、現像法をいじってみました。どのように考え、候補を選び、テストしたかは、ルイス・キャロル先生に倣ってノウハウとします。増感現像液を作りました。特に色を深く濃くできる方法だと思います。
以下、小生の行っている、サイアノグラフの実際を、説明します。
元ネガ画像1
フィルムで撮影、現像し、ネガはフィルムスキャナーでデジタル化、PCに取り込みます。
この画像を、レタッチソフトで、白黒を反転し、同時に左右も反転させます。
元ネガ画像フィルム2
この画像から必要な部分を、OHPフィルムに、プリンターで印字。今回はCanonの古い染料系プリンターMP600で打ち出しました。モードは普通紙。(これが一番よかった) A4とA6のOHPネガを作成しました。
そして、調整した青写真印画紙にこのOHPフィルムを、印刷面が印画紙に触れるよう重ね、その上にガラス板を被せ密着させ、晴天の太陽で露光(焼き付け)しました。太陽光の強さは、セコニックの入射光式露光計の値で EV250とEV500の中間。ISO400のフィルムなら、f;16~22に絞り、1/500秒が適正露光です。今回は5分間露光しました。
露光後
これは、増感処方の印画紙を使った例。現像液(水)にさらす前の状態です。
標準処方に比べ感光剤の色が濃く、光を浴びると薄くなります。(Fe3+がFe2+)に変化したのがよくわかります。
光の当たりが少ない部分は、感光剤の色が残るので、まるでネガのように見えます。水で現像すると、光が当たり薄い部分が濃くなり、濃い光の当たらない部分の感光剤が洗い流され徐々に薄くなっていきます。 2,3分すると全体が濃い灰色になり、一瞬写っているのか?と心配になります。5分すると、徐々に像がでてきて、10分するとはっきりしたサイアノタイプ(青写真)になります。
1~2分間、薄い酢酸水溶液に浸け定着(安定化?)し、水で軽く洗い乾燥すれば、出来上がりです。
DSC3.jpg
左上の写真は、標準感光剤で作った青写真印画紙、水現像10分したばあいです。その下が、今回開発した増感現像液で現像した例です。露光条件は全く同じ(4枚同時に露光できます) 違うのは現像法。明らかにダイナミックレンジが広がり、暗い部分が締まっています。
右上の写真は、同時に露光した、増感感光剤を塗布した印画紙の例。5分の露光は多すぎた。2,3分で充分だったと思います。増感感光剤に増感現像は、うまくいきません。被りがひどく、全面が暗い紺色となり、画像はほとんど見えません。
右下は、銀塩の印画紙で、密着で焼き付け、富士ドールで現像したもの。本来の銀塩写真です。比較例として載せました。
やはり、銀塩プリント、黒の締りがよくダイナミックレンジ、青写真に比べ数段広い。印画紙を使って現像する・・・何年振りか、いいものですね
また、引き伸ばし機を取り出し、暗室にこもるか・・・・
A4版に印字したOHPフィルムを使って、青写真(サイアノタイプ)をつくってみました
DSC4.jpg
DSC5.jpg
増感処方の印画紙、露光時間 少し長すぎました。2,3分でよかったのでは。
標準処方で増感現像と 増感処方印画紙で水現像、優劣はないように感じました。
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  1. 2014/05/18(日) 22:43:06|
  2. 写真の技法
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Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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