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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

小人閑居して・・・ブルーフィルム? (サイアノタイプに挑戦)

小人なもので・・・暇を持て余し、××をなしそう。
読みたい本を探しに書棚をかき回していたら、古い未使用のオーバーヘッドフィルムが出てきた。15年ほど前、まだまじめな会社員だったころ、説明資料を作るため使用していたものだった。これを使えば、ブループリント、サイアノタイプ写真ができる・・・
ブルーフィルム、語感が淫靡です・・・と言ってもこの頃の若い人にはピンとこないかなぁ。
サイアノタイプと言ったら、わかる人もっと少ないだろう。忘れられた写真の技法。
元化学系技術/研究者・・・青写真を極めてみるかという気になっていた。
すると何の本が読みたくて書棚を探していたのか?・・・わからなくなっている。アルツハイマー予備軍のぼけ老人です。予防にはよいエクササイズだろう。
「ブルー・プリント、青写真のことですよ。」と老妻に言ったら、「青写真って、計画のことでしょう。将来こうなりますとか・・・」現物の青写真、ものとしての記憶はなくなり、言葉(イメージ)だけ残ったということでしょう。
くだくだ説明し、印画紙候補の書道用和紙を1枚ゲット。
青写真用の感光剤は簡単に調整できます。神田の試薬問屋へ行き、薬品を購入。百円ショップで刷毛と画用紙を買う。
OHPフィルムにネガをプリント。A4の額に、感光材を塗布し乾燥した印画紙をはさみ、太陽光に当てて露光、水で現像、希酢酸水で定着(安定化)し乾燥。
CyanoTypeDSC09389.jpg
太陽光の強さは、セコニックの露光計(入射光式)で測り、参考値とした。化学系技術者の端くれ、薬品の扱い、現像、定着などは得意。光反応のメカニズムも・・・いろいろな仮説を立てて実験していけば、ルイス・キャロルのように、小生だけの青写真技法を開発できるかなぁ・・・しばらくは、ノウハウとして、公開せず・・・独りほくそ笑んで・・・いよう。
まずネットで公開されている処方で感光液を調整し、印画紙を作る。
どんな紙がいいのか、テストする。
CyanoTypeDSC09399.jpg
紙、布などの植物繊維であれば、なんでも使えるが、画用紙、和紙ならば使えそう。一番いいのは、インクジェットプリンター用紙で、それも顔料インクに対応したもの。現像液を多く吸収し感光材の濃度を高く均一に塗布できるからだろう。
CyanoTypeDSC09393.jpg
まずは百均の画用紙を使用し、百均の刷毛で感光材を塗布し印画紙を作る。そして、感光特性をテスト。①EV256の光の強さでは16分以上で飽和していた。1分でかすかに感光、感光域は16倍、レンジは4ビットである。②で少ない光の感光性を確認するためEV64の薄曇りの時テストしたが、弱い光に対しては感光性は弱く、レンジは3~4ビットだろう。
専門知識を動員し、光感光(光反応)のメカニズムを考えていた。
光反応のpathを考える。いろいろな因子がありそう。光反応のルート、メカニズムを想定してみる。
ある仮説を立ててみた。それが正しいなら、この薬剤を添加(ルイス・キャロルの心境です)すれば、感度は上昇するだろうと、③増感性をテスト。うまい具合に増感できた。レンジは6ビットくらいか。8ビットに広がれば写真画像でほぼ満足、10ビットまで広がれば、シルバープリントと遜色なくなる。(②と③がその比較例、②はネットに記載されていた処方の感光組成で作った印画紙、③はそれに増感剤を加えたもの。同時に露光テストしました。ネット処方16分の濃度と、増感剤入り2分がほぼ同じ濃度、約8倍感度はアップ。階調性も大幅に改善できています。)
しかし、光の当たらない部分も少し色がついたので、被り防止剤の検討も必要か?と思えど、メカニズムが想定した通りなら、増感に使える(テストすべき)候補の薬品は、まだ何種かある。そちら手に入れテストするのが、先決だろう。増感のメカニズムがはっきりしてくれば、被り防止の方法も気づくというもの。
④顔料プリンター用紙は、感光液を多く保持できため、濃度レンジが広くなった。6ビット?程度。
増感処方の感光液を、顔料プリンタ用紙に塗布すれば、ほぼ満足できるサイアノタイプ写真ができるかも・・・
CyanoTypeDSC09403.jpg
増感処方印画紙で焼き付けた画像を参考に添付しました。雪の日の戸越公園の風景を撮影したもの。顔料プリンター用紙で印画紙をつくれば、もっときれいなサイアノタイプ写真が作れるでしょう。
その前に、安い画用紙を使って、増感剤のスクリーニングですね。そうすればまた新しい仮説ができて・・・
キャパショックが後を引いて、シャッターボタンを押す気になれません。・・・サイアノタイプの開発で気分転換。しばし元化学者の経験を活かし遊ぶかなぁ。
それとも、小人閑居して・・・××をなす。

追記 ネットに出ていた感光剤の組成は以下の通り、
    クエン酸鉄アンモン   3.0g
    フェリシアン化カリウム 2.5g
    水              50ml
この組成で青写真用印画紙を作成しています。A4の画用紙で8~10枚作成できます。
白熱電球をつけて塗布作業をしました。明るいところでの作業なので、簡単でした。
おそらく蛍光灯では感光して使えなくなるでしょう。(試してはいませんが・・・)
    
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  1. 2014/05/16(金) 23:39:18|
  2. 写真の技法
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Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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