谷根千散歩をし、上野へ出る途中、上野動物園の横道を歩いていた。厚い雲に太陽はぼんやりとした輪郭をのぞかせていた。棕櫚の樹に白い花?が咲いている。面白い。逆光気味だがレンズを向ける。開放F:4の暗いレンズ。f;4で1/10秒のシャッター速度を選ぶ。手持ちでは、手振れの危険性が高い。息をひそめ、そっとシャッターを切る。窒息しそうだ。

意外と光は回っている。1/25秒で切ってもよかったか。赤外光、目には見えないので、確かに難しい。薄いネガだったり、濃かったり。

空の雲に露光を合わせ f:4/50秒でシャッターを切ってみた。樹の葉が白く写ってる。しかし、これではありふれた光景。
焼きこんでみる。

注目しているのは雲の文様なので、こちらのほうがベッターか。
この頃、ネットサーフィンして白黒写真のブログを探している。
ライカのM8,M9,Mクローム、3つのライカを駆使し撮影している人のブログに出会う。すごいものだ。フィルムでは出せないようなトーンの作品。
単なる逆光のシーンが、キレの良い解像感と美しいトーンに変換され、ドラマチックな作品になっている。
こんなのフィルムで撮れるだろうか?呆然と、その人のブログに見入る。
「不思議の国のアリス」の著者、ルイス・キャロルは、同時に優れた写真愛好家でもあった。湿式コロジオンのネガで3000枚ほど写真を撮影したという。しかし、時代は移り乾板ネガが発明されると、1880年、彼は、突如写真を撮ることをやめてしまう。フィルムがデジタルに置き換わったのは、20世紀末からの10年間。しかし、写真を撮ることを止めたという写真家、写真愛好家はいない。
湿式コロジオンから乾板への変化は、デジタル化より、本質的な変化だったのだろう。
コロジオン液を調整し、硝子板に薄く引き、乾かないうち撮影し現像する。すべては一人の写真愛好家の手で行わなければならない。コロジオン膜の調整は、ノウハウのかたまり、感度を高めるための添加剤、ラチチュードを広くする添加剤、被り防止剤、均一に塗布するテクニック、そのための道具・・・それらは、すべて個人の秘伝。公開しない。できた写真は、ルイス・キャロルしか作れない写真(作品)となる。
乾板の出現は、それらを根こそぎ否定するものになっていた。
ライカのMクロームの写真、衝撃的。フィルムではだせないような解像感と美しいトーン(階調性)がある。
フィルムからデジタルへの変化、写真はハンドクラフトと思っていた小生には、本質的な変化をもたらしています。
それに、ライカMクローム 小生の財力では手が届きません。
写真愛好家の看板を外すことになるのかなぁ・・・
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- 2014/05/06(火) 09:47:49|
- 散歩
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