カメラをぶら下げ、品川駅まで散歩。キャノン・ギャラリーで 北井一夫さんの「Color いつか見た風景」展をみる。
1960年の中頃から1970年の中頃までの10年間、カメラ雑誌を割合良く見ていた。朝日カメラに連載されていた「村へ」は、見ていたのだろう。当時は、あまりうまい写真家だとは思っていなかったので、記憶は薄い。
昨年、恵比寿の写真美術館で北井氏の展覧会があり、それを見たことがある。一枚の写真、利根川の渡し舟の写真を見た瞬間、「村へ」を思い出していた。若いときから、現在までの作品が、並べられていた。それを、一つずつ丁寧に見ていくと、すごいなぁと感服。それ以来、北井氏の作品が好きになっていた。
雑誌に載っていた北井さんの作品は、白と黒のコントラストが強く、ザラとした感じ。当時流行した、アレ、ブレ、ボケのテーストを、朝日カメラの編集者が、勝手に加味したのかも知れません。オリジナルプリントは、淡いタッチで闘争とは無縁の調子に仕上がっていました。
撮りますよと声を掛けて撮っているのでしょうが、人の表情は自然です。フランスで撮った写真も、日本で撮った写真も、スタンスは変わりません。俺が俺がと、見栄えする構図を狙っている感じが少しもありません。広角レンズで、さりげなく撮っています。カメラ雑誌の教える撮影法では、「広角は度胸、ファインダーを覗きフレーミング。ここだと思ったら、更にもう一歩踏み込んで撮る。」それが基本。それをしない北井さんのアングル。いいですね。
人格に問題ある小生、残念ながら北井さんのように広角レンズで、人を写し込んだ撮影はできません。

1970年代のテーストに焼きこみました。「都会へ」です。


人を入れても、この程度。
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- 2014/03/17(月) 09:42:09|
- 都会の景観 Tokyo
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