ドイツのアグファ社とベルギーのゲバルト社は合弁しているので、
Retro80Sフィルム、どちらの製品か よく分らない。
しかし、どちらの部門であれ、技術開発力のあるフィルムメーカーの製品だと思う。

カメラは、日本光学製 Nikon SP.を使用。
そのカメラにドイツ・ツアイス社製のSonnar T 50mm F:1.5 レンズ 1939年製をつけて撮影した。
戦前のレンズでコーティングが施された初期のレンズだと思う。
最小絞りはf:11。
しかし、絞るとイメージサークルは小さくなるので、
とくに明るい空を入れて撮ると、四隅が欠られたようになる。
絞りを開け、f:5.6より小さくすると、イメージサークルは広がり、欠けることはなくなる。
コンタックス用に開発された明るいレンズで、開放絞りf:1.5だった。
初期のレンズは 最小絞りf:8で f:1.5
その後改良され f:11、更に後期(戦前の)ではf:22が最小絞りになる。
ゾナータイプではf:1.5が限界だったようで、それ以上明るいレンズは出していない。
それが 旧ツアイスの技術陣の結論だったようだ。
戦前のレンズと侮ることはできない。

本堂の屋根の上に鳩が5羽とまっていた。
ピクセル等倍まで拡大し確認すると、しっかりと姿を捉えていた。
Retro80Sフィルムは戦後になって開発されたポリエステルに
赤外部まで感光領域を広げた乳剤を塗布している。
銀粒子は細かい。
現像液を選ぶと、粒状感を余り感じさせないネガになる。

中景の部分を拡大すると、キリッとした精細感は余り感じないが、
それでも人の表情は判読できる。

近景もディテールはでている。
戦前 既に解像度は高く、コントラストのあるレンズが生産されていたことに驚く。

暗い部分を拡大、黒潰の具合をチェック。
現在のレンズに比べたら、レンズ性能は劣るだろうが、四つ切り、半切程度までの引き伸ばしなら、
気になるようなプリントにはならない。、
写真を楽しむのなら、レンズの解像度、シャープさ、
フィルムの粒状感、トーンの広がり、これで充分だと思う。
デジタルカメラなら、2000万画素、4000万画素が 当たり前だろうが、
そんな高画素を欲しがるのは、仕事で大画面のプリントが必要なプロの写真家だけだと思う。
パソコンのモニターだと200万画素程度。
4Kモニターで約800万画素 8Kでようやく約3300万画素。
大型の液晶モニターで 写真を楽しむとしても・・・1200万画素もあれば充分ではないだろうか?
高性能なデジカメと、最適化したデジカメ用レンズを何故求めるのか 小生にはよく分らない。
デジタルカメラは 12年前に購入したSony NEX-5 を持っている。
それで充分。いまでも満足して使っている。
これ以上のスペックのデジカメ 必要だろうか?
遊ぶなら フィルム写真だとおもう。
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- 2023/09/18(月) 23:00:30|
- レンズの眼、カメラの眼
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