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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

武蔵小山にて

フィルムカメラは、構えるとしたら、横位置のほうが容易だが、
小生は縦位置で撮ることが多い。
武蔵小山にて1589-34
横位置だと、余分なものまで入れてしまうことを怖れ、
また、遠近感を出したいので、縦位置で撮ることが多い。
これは 小生の好み、癖のようなものだろう。

1960年以前の写真は、熟達した巨匠の時代。
ピントは主題に対し鮮明、そして豊かなトーン、構図のきっちり決まった写真が主流だったが、
その域に達するためには、かなりの訓練が必要だった。
手っ取り早く写真家になることは無理だった。
そこに露光計内蔵の廉価な一眼レフが登場する。

露光計内蔵の一眼レフを手にした瞬間、
一番難しい「光を読み」適切な「露光を決める」という壁は低くなる。
露出計内蔵の一眼レフを手にした瞬間、
「プロの写真家」と宣言すれば、それだけで写真家になれた気がした。

1970年が近づくと 学園闘争が起き、社会は騒然となる。
同時期、コンポラ写真が、日本に紹介される。
そのキャッチーな「コンポラ」という名称に飛びついた面もあると思う。
写真界の巨匠へのアンチテーゼ、
見えない硝子の天井にたいする若者の苛立ちから、
「アレ・ブレ・ボケ」写真の時代が始まったと思う。

横位置のフレーミングが主だった。
ノーファインダーで撮影して、水平が傾いた写真を撮ることもあった。
それが、自己実現だと 思ったらしい。
豊かなトーンは否定され(ナンセンスとでも叫んだか?)銀塩の粒子をだしたり、
手振れ、ピンボケで 写真を表現した。
最初は その斬新さに 惹きつけら、受け入れられたが・・・・
既存の体制に対する「ノン(拒否)」が、表現され尽くされると、陳腐化し、
10年も経つと「アレ・ブレ・ボケ」写真の時代は終わっていたように思う。

フランスで起こったシュールリアリズム運動は、文学、美術、演劇、写真に 大きな影響を与え、
更に次の運動へと繋がってるが・・・・ 
武蔵小山にて1589-33
「アレ・ブレ・ボケ」写真は一過性、いい作品もあったけど、
それを評論し理論構築することはあったかなぁと思う。
(米国発祥のコンポラ写真と、日本で声高に唱えられたコンポラの「アレ・ブレ・ボケ」写真 同一視はできないと思う。)
中心になるべき思想(指標)は何だったのか?今考えるとよく分らない。
当時、最先端を走っていた写真家と(写真)評論家の理論化が 不十分だったのだろう。
(この点は、日本人の弱いところ、目先の面白さ、受け狙いが先行し、地に根を張った議論にはならなかった)

「アレ・ブレ・ボケ」写真は 撮ったことないが・・・・
縦位置だと、整いすぎて窮屈。
横位置で、少し傾けて撮った写真のほうが、
確かに面白い効果がでたと思う。

デジタルカメラは、露出計内蔵一眼レフカメラの出現の衝撃を上まわる。
デジタルカメラがあれば、誰もが、綺麗な写真が撮れてしまう昨今、
失敗のない大同小異の綺麗な写真が溢れている。
しかし、簡単に撮れることが、却って写真をつまらなくさせている。
レタッチソフトで処理した綺麗な写真は食傷気味。

もう一度「アレ・ブレ・ボケ」写真の破壊力を期待したいところだが、
デジタルカメラにその破壊力あるだろうか?
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  1. 2023/07/31(月) 15:20:26|
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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