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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

ステーグリッツとスタイケン      ピクトリアルフォトからストレートフォト

スタイケンの家族はオーストリアからの移民だった。
母親が、しっかりとした人だったのだろう、
夫の健康が優れなくなると、帽子屋を始める。
ミルオーキーの田舎町、道の舗装はされていない。
帽子は、必需品に近い。商売は当たり、
生活には困らなくなる。
子供の教育にも熱心だった。
スタイケンも賢い(頭脳明晰)で、小年時代、写真に興味を持つと、
自宅の階段下の物置を暗室に改良し、写真を撮るようになる。
いろいろな薬品を持ち込み、暗室に入る息子をみて、
母親は、息子が暗室内で倒れているのではないかと心配したそうである。
階段下を暗室にすることを許可した母親もすごいなぁと思う。
学校を卒業すると、リソグラフの工房(宣伝広告を作成する会社)に入社する。
持ち前の美的感覚、器用さから、たちまち、図抜けた職人に成長する。
1900年の初め、21歳のとき、それまで貯めた資金を元に、
スタイケンはフランスで絵画の勉強をするためニューヨークへでる。
そこで、ステーグリッツに出会う。

フランスでは入った美術学校は、古くさく、芯の通らない先生に嫌気が差し、
すぐに止めてしまう。
当時のフランスは、写真発祥の地、絵画より、興味が引かれたようだ。
そこで、彫刻家、ロダンの元を訊ねると、ロダンに気に入られる。

よく言えば、コミュニケーション能力の高い人。
人当たりが良く、相手の懐に入るのが上手い。
悪い言えば、人垂らし・・・・

「写真は浅薄な正確」と
写真にネガティブな考えを持つロダンに取り入ったのだから、すごいものだと思う。
地上に堕ちた天使達1584-12
地上に堕ちた天使達1583-9 Ⅱ
何度か、ロダンの元を訪れ、ロダンのポートレート、制作中の像とロダン姿などを 写真に収めている。
1902年にニューヨークへ帰国するが、
彼の撮した写真はピクトリアフォット風のものが多い。
地上に堕ちた天使達1578-18
地上に堕ちた天使達1583-5 Ⅱ

ステーグリッツとPhotSession"291"を始めた前後より、
ストレートフォットへ、作風は変わって行く。

かれが どう行動したか、どんなことを為したか、本で確認していくと、スタイケンの凄さが浮かび上がってくる。
頭脳は明晰、企画力、世の動きを読む力、人を集めそれを纏める力、そしてそれを実行する力はすごい。
もし、彼が、ステーグリッツのような裕福の家庭で生まれていたら、
一流の大学をでて、起業し、大きな会社の経営者になっていたかもしれず、
あるいは、政治家を目指したら歴史の名を残す政治家になっていたのではないか、と想像してしまう。

芸術志向(ある意味偏狭)のステーグリッツに対し、
より現実的なスタイケンは、
互いの求める路線の違いから 
第一次世界大戦前頃には離れてしまったようだ。

このあたりの人間模様、
彼等の作品を見比べ、写真集に記載されたエピソードを読み、
当時のアメリカ社会を想像し、その中に二人の人物を置いてみると、
小説を読むような面白さを感じる。

たかが写真、されど写真、面白いなぁと思う。


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  1. 2023/06/01(木) 14:40:51|
  2. 写真にとり憑かれた人達
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