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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

オブジェ                    丸の内・中通り

カメラをぶら下げ、都心をあてどなく歩く。
残りのフィルムはほぼなくなっていた。
最後のショットになった。
丸の内 中通1571-40
水玉模様で有名になった草間彌生さんのオブジェが飾られていた。

幼い頃、統合失調症と診断され、画家としての評価はキワモノ扱いだったのだろう。
一部熱烈なファンがいたが、日本の美術界では余り評価されていなかった。
旧態依然とした日本の美術界に失望し、渡米する。
寧ろ、海外ではのびのびと活動できたのだろう、
1960年代になると、インスタレーション、ボディペインティングなど、前衛的な芸術家として、米国では認められていた。
1970年頃、帰国。
日本でも、米国と同じような活動をするが、一部マスコミは注目するも、
キワモノ扱いの枠は 越えていない。
話題になりさえすればと、草間彌生さんの起こすパーフォーマンスを撮影するカメラマンもいた記憶が残る。
(写真は被写体無しには成立しない。ヤドカリみたいな表現法。
草間彌生さんの精神に感化されて撮ったのか、
草間彌生さんをネタに、写真界にデビューしたかったのか・・・・
その後、この写真家、どんな写真を撮っていたか、小生は知らない。)
そんな日本の現状に、帰国後、絵画制作の活動は、ほぼなくなったように思う。
(小生が知らないだけかもしれないが、注目はされていなかった)

芸術家として持ち上げられるのは1990年代に入ってから。
海外での再評価が進み、話題になったことが大きい。
アメリカのオークション価格に連動するように、
日本では、手のひら返しのように評価は高くなっていく。
--------------------
絵画や彫像、詩や歌(短歌、俳句)、文芸作品は 制作者の内的必然性から 生み出されていく。
内的必然もないのに、作品を作り、
それを売りさばくことは、自分への冒涜だと心を蝕んでいく。

リッチでないのに
リッチな世界などわかりません。
ハッピーでないのに
ハッピーな世界などえがけません。
「夢」がないのに
「夢」をうることなどは……とても
 嘘をついてもばれるものです。

広告業界の寵児と もてはやされた杉山登志さんが、
こんな遺書を残し、自殺している。
それは、1973年のことだった。

この前後に、草間彌生さんは、
日本に帰国している。
1965年~1975年の10年間は、今思うと激動の時代。
ベトナム戦争、ビートルズの来日、ウッドストックのロックコンサート、ヒッピ-、・・・学園闘争
古い価値観と葛藤し、現実とどう向き合うか、個々人の心の闘争でもあったような気がする。
(当時の人は、尖っていたけど、真面目だった。哲学書、宗教書などが、町の本屋の棚に置かれていた。)
日本の写真も、この頃がピークだったと思う。
----------------------
写真は不完全な表現方法。
被写体がないと、もう何もできない。
作品の善し悪しの大きな部分は被写体に依存する。
それでも、何かを表現したくて、写真家は写真を撮る。
写真家の内的必然性とは何だろう?
何に憑かれて撮っているのか、それを確かめに、展覧会などに行き、オリジナルプリントを見る。
でも、なにに突き動かされ写真を撮っているのか、それを感じる(読み取れる)写真家はいるにはいるが、少数派。

心象写真だ、自己表現の写真だ、写真による自己実現、写真は写心 
そんな言葉を ネットや雑誌記事に見るたびに
薄っぺらいなぁと・・・杉山登志さんの言葉を思い浮かべる。

たかが写真、されど写真、でいいと思っている。
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  1. 2023/05/20(土) 12:37:31|
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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