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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

たかが写真、されど写真       二段現像法でトーンを作る。(1)

白黒のフィルム写真は、
見たものそのままを撮すことはできない。
自然はカラーなのに、
白黒フィルムで撮れば、
すでに現実を抽象したものになっている。
なにか少し異なっても、当然だろう。
それならば、開き直り、フィルムの眼でしか捉えることができないトーンを 作れないかと思ってしまう。

衝撃的だったのは、デジタルカメラの出現。
10年程前、ソニーのNEX-5を購入し、使って驚いた。
カメラの設定を、HCB&Wモード(ハイコントラスト・白黒モード)にして撮ると、
コントラストの美しいモノトーン写真が、いとも簡単に撮れてしまった。

フィルムは、このトーンを越えられるだろうか?
デジタルでは表現できないトーンを作れないだろうか、とも考えた。
それから、何十もの配合をつくりテスト、
ようやく現像液がどういうものか、少しずつ理解できるようになってきた。

フィルムによりトーンの特性変わってしまう。
現像液、現像方法でも、トーンに違いはでる。
そして重要なのは、その空間の光を読むこと。
これが、一番難しい。
これは、経験してみないと分らない。
二段現像テスト検討 Index 1582
暗い樹の幹を撮ってみたい。
石仏の存在感を際立たせるトーンを作ってみたい。
それが動機、
Retro80Sフィルムを使い、
トーンが変化しやすい二段現像でトーンを試している。

Retro80Sのベースはポリエステルなので透明性は高い。
スキャナーで画像を取り込むと、
画像は0~255の間に入る。
ポリエステル(Retro系フィルム)なら
ネガ上の画像は通常30(Low)~255(Up)の範囲に入る。

ネガが従来タイプの酢酸セルローズ系フィルムだと、
透明度は下がり、だいたい60~255の範囲のネガになる。

Low値が高いと、現像オーバーか、露光オーバーだと判断し、
ポリエステル系フィルム(Retro80Sなど)ではLow値が50以下であることが好ましいと考えている。
やむを得ない場合でも80は越えないようにしている。
それ以上だと、トーンが飛び、時にはトーンが不安定になることがある。(それが面白い場合もある)

軟調現像液(Ⅵ)でUp値が160になるまで現像し、(現像条件のUp値のグラフは作成済み)
LowとUp値の差が一番大きくなるよう、
硬調現像液(Ⅱ)に切り替え、現像してみた。(Up値は220を想定した)

露光計を携帯していないので、露光は三水準かえて「ススキ」でテスト撮影。(それを基準にしている。)
黒い車、氷川神社の参道は、f:8/125秒が狙いの露光となるが、
暗い部分を潰したくなかったので、一絞り開けてシャッターを切った。
二段 暗い部分のディテールを1582-19
一絞り開けた分、空は白く飛んでしまったが、白と黒の領域でエッジが立ち、すっきりした画像になる。
もう一絞り開けて露光を増やすと、更に暗い部分のディテールが出てくると思う。(黒光りする車を撮りたい・・・が願望の一つ)
二段 暗い部分のディテールを1582-20 Ⅱ
木々の葉が一枚一枚くっきりとでる。
石柱や狛犬の台座に刻まれた文字が、くっきりと出ていた。
二段 暗い部分のディテールを1582-23
明るい太陽の光を避けてフレーミングしたので、三絞りあけて撮ったが、白飽和はしていない。
暗い部分でもディテールはなくならず、ゆたかに現像でき、狛犬を克明に描き出していた。

二段現像法、うまく当たれば、有用な現像法になると思う。
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  1. 2023/05/06(土) 22:10:23|
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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