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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

たかが写真、されど写真

30年ほど前、出張でヨーロッパを巡ったことがある。
そのとき訪れたノルウェーで、相手の会社の技術者と、夕食を共にした。
テーブルトークで、イギリス人とノルウェーの気質の違いが話題になったことがある。

「彼等(イギリス人)は、規則(ルール)がないと遊べない。
しかし、我々(ノルウェー人)は、規則をつくって遊ぶ」という。

英国のビジネスマンはすぐゴルフをしたがることを皮肉って言ったのだろう。
ノルウェー人のバカンスは、夏6月から7月頃に4週間のあり長い。
最低でも3週間は連続で休暇を楽しむという。
日本から見たら夢の様な話だった。

その人は、夏、フィヨルドの上で、トナカイを捕るのが趣味だという。
自然が相手、トナカイの好む場所を推定し、群れの大きさ、風向きを読み、地形を見て、どうしたらいい決める。
「ルールは自分が決めるもの」 それがノルウェー人の流儀だという。

フィルム写真の楽しさも、その辺りにあるのかもしれない。
フィルム写真も、自然が相手。
あらかじめ、フィルムの特性を知り、現像の特性を掴んで、準備しておき、
雑踏に紛れたり、風光明媚な場所へ出かけたり、
今度は「あれ」を撮ろうと、被写体を追う。
工夫することで、フィルム写真の範囲を広げることができる。
フィルムは一種類と決めてかかり、現像液も市販品任せでは、フィルム写真を楽しんだことにはならないだろう。

Elmarレンズ 二液現像1576-38
散歩にカメラを持ちだし、15年ほど経つ。
腕は上がったかというと、そうでもない。
寧ろ、昔の写真のほうが狙いはいい。
でも、楽しさは段々と深くなってきている。
フィルムはFomapan100を使用した。100フィート缶で入手できるフィルムで一番安価(小生の調べたなかで)。
安かろう、悪かろうではない。現像液を替えると、トーンも変わり、使って楽しいフィルムだと思う。
Elmar ピクセル等倍
現像液は二液現像法で行った。
白と黒の境界部分にエッジが出やすく、精細感(accuitance)のあるネガができる。
銀塩写真のAccuitance(写真家特有のスラング?)と粒状感はトレードオフの関係にあり、
大きく伸ばすと、粒状感が出てしまう。
ElmarFEDレンズ
1932年か33年製のElmar 50mm F:3.5 ノンコートレンズを使用した。
90年ほど前のオールドレンズ。
「そんな古いレンズ、ポンコツでしょう」と思うかもしれないが、メリハリのあるコントラストの高いネガになった。
Elmarレンズ 二液現像1576-34
電話ボックスの「引く」の文字にピントを合わせる。
文字がくっきりと出るのがいい。
Elmarレンズ 二液現像1576-35
Elmarレンズ 二液現像1576-41
逆光でも撮ってみたが、フレアー、ゴーストの類いもでず、至極まっとうな写りになっている。
これが90年ほど前のレンズの実力、侮れないと思う。
Ekmar 50mm F:3.5と外観がよく似たレンズ(FED用)が戦前のソ連邦でも作られていた。
目盛盤を交換すれば、Elmar 50mm F:3.5と同じ外観になるが、
絞りの位置が2枚目と3枚目の間にあるので、
簡単に判別できる。(鏡胴に磁石を近づけても分ると思う)
FEDもノンコートだが、見分け方を知らないと、だまされるだろうなぁ。

Elmar 50mmF:3.5も レンズ構成は3群4枚でテッサーと同じ。
3群構成のレンズ(トリプレット)で、安くてなお高解像となると、テッサータイプに落ち着くのだろう。
ツアイスのゾナーは同じトリプレットだが、収差を抑えるため 3群7枚の構成となり、貼り合わせ硝子を多用している。
当時としては一番明るいF:1.5レンズだが、非常に高価だった。

ソ連邦のレンズ開発は、軍事目的だったので、
ツアイスの光学技術、精密加工技術が欲しかったのだろう。
FEDのレンズはテッサータイプになっている。






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  1. 2023/04/30(日) 23:03:51|
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