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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

オールドレンズの眼        まなこをカッと見開いてみえたもの。

1900年、ツアイスによってテッサーレンズは開発された。
3群(トリオーター)4枚の簡単なレンズ構成だったが、
「鷹の目」と喧伝されたほど、シャープな写真が撮れた。

しかし、テッサーのレンズ構成では、明るいレンズを作るのは無理だった。
明るいレンズにするためには、空気と硝子の境界面が少ない方が有利である。
ツアイスは4群構成のダブルガウス(プラナータイプ)を選ばず、
3群レンズの発展形、ゾナータイプを開発する。

ライカは、テッサータイプのElmar 50mm F:3.5を、
明るいレンズとしてダブルガウスタイプのSummar 50mm F:2を製造する。
古いElmar 50mm F:3.5とTessar 50mm F:3.5の撮り比べしたことがあるが、
小生には違いは分らなかった。
どちらも優秀なレンズであることには変わりない。

Sonnar 50mm F:2とSummar 50mm F:2の撮り比べでは、画質に差はでた(特に絞り開放近くで)。
小生の好みはSonnar 50mm F:2のほうだった。(Summarも優秀なレンズです)

戦前、キャノンの求めに応じて、
ニコンはライカスクリューマウント用Nikkor 50mm F:2を供給している。
おそらく、そのレンズが手に入ったら、ライカのSummar 50mm F:2と撮り比べ
Nikkor 50mm F:2(ゾナー)の優秀性は認識されると思う。(そんな物好きは居ないと思うけど)

今回使うSonnar T 50mm F:1.5は1939年に誕生したもの、
小生より年老いた眼だが、コーティングが施されている。
オールドレンズの眼に輝きはまだ残っているか、探ってみた。
Sonnar T 開放絞りで1557-13
Retro80Sフィルムの特性で、赤い色は明るく写る。
椿まで、距離は約1.2メートル、オールドレンズとはいえ、しっかり捉えている。
Sonnar T 開放絞り1557-17
f:1.5の開放絞りにするためR2フィルターをつけた。
距離はビルのアンテナに合わせた。
約20m。
空は暗く落ち、雲が明るくでる。
Sonnar T 開放絞りで1557-19
樽のワインの瓶に焦点を合わせる。
距離は約11mだった。
Sonnar T 開放絞りで1557-21
ヘッドライトにピントを合わせる。
約5m。
Sonnar T 開放絞りで1557-25
真ん中の花キャベツの葉の先端にピントを合わせた。
距離は最短の0.9m。
被写界深度は浅いが、ピントは合っている。
Nikon SPとツアイスのゾナーレンズとの相性はいい。
老眼といえど、侮れないと思う。
戦前は 高価なレンズ、お金持ちしか手にできないレンズだった。

オールド・ライカレンズより需要は少ないのだろう、
今は、中古市場でかなり安く買い求めることができる。
当時 すでにレンズ設計の基本は完成していた。
ただし選べる光学硝子の種類は少なく、
また、一つの光線の軌跡を計算するにしても、煩雑な計算を手計算でしなければならなかった。
その中で、ゾナータイプを見つけたのは、すごいことだと思う。

今は、光学硝子の種類も豊富にあるし、
コンピュターの計算速度は驚異的に速くなり、
計算の人手は、殆どかからない。いくらでも再計算し、最適化できる。
レンズの収差を抑え、高解像度、高コントラストの画像を得ることができるようになった。

コシナの製造したS-Nokton 50mm F:1.5は、
ゾナータイプでは取り切れなかった収差をほぼ解消していた。
いいレンズだと思うが、それだけでは面白くない。
感動しないのだ。
綺麗に撮れれば、それでいいじゃん・・・・と言い切れないものを、
オールドレンズに感じる。

この時期のゾナーは、
マイスター眼によって、
硝子の塊のどの部分を削るか判断し、削りだされ、磨かれ、
マイスターの手によって丁寧に張り合わされ、
組み立てられたレンズ。
そこにマイスター達の手のぬくもりを感じる。
古いレンズは、おろそかにはできない。

そのレンズで、フィルム写真を楽しむのも、
醍醐味の一つではないだろうか?





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  1. 2023/03/18(土) 12:30:36|
  2. レンズの眼、カメラの眼
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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