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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

おおばきぼうし(大葉擬宝珠)     白金・自然教育園にて

おおばきぼうしは、初夏のころ薄紫の花を咲かせる。
自然教育園を訪れる人は、
その艶姿を、スマホやデジカメで撮影する。
でも花が散ると、そばを通り過ぎていくだけ、
誰も撮ろうとしない。
おおばきぼうしDSC09735
確かに綺麗な花の姿を撮りたかったら、カラー画像だろう。

マクロレンズがまだ普及しない頃、
花の接写に挑戦したことがあったが、
撮影は難しかった。
三脚は必須、接写用延長リングをつけると、オート絞りは効かなくなる。
カラーフィルムの感度はASA100が最高感度、コダクロームⅡでASA25だったか?
接写倍率に応じ、露光の倍率を調整しなければならないなど、制約は大きい。
数回試したが、根気は続かなかった。
でも デジタルになり、接写撮影が容易になる。
この頃はスマホでも綺麗な花の接写ができるようになっている。

簡単にできるようになると、
夥しいほどの花の写真が撮影されるようになる。
しかし、いいと思う構図(狙い)は限られる。
いい写真を撮りたいという意欲が、先人の作品を真似た写真に傾いていく。

この「おおばきぼうし」を撮ろうとしても、
撮り方の選択肢は狭いように思う。
葉だけをカラーで撮ろうとする人は希だろう。
花が咲いたとしても、
数カット撮ったらもう選択肢はなくなる。

でも モノトーンのフィルムなら、
工夫次第で 撮り方は様々。
さらなる高みがあるのではと、同じ被写体をくどいように撮る。

二液(浴)現像を見直して、小生風の現像法を作った。
Fomapan100、Retro400S、Retro80S の3種のフィルムの現像条件を作った。
11月中旬からは、Retro80Sフィルムを使用したテスト撮影、テスト現像を行っている。
一ヶ月も経たないうちに、100フィート缶、一缶を使い切ってしまった。
あとには、失敗のネガの束が残っていた。
いまそのネガを整理し、評価中。
おおばきぼうし1531-11
二液現像 (Afx)-(BⅠ)で現像した。(Afx)は現像成分を含む液でpHは弱酸性にしているので、現像能力はほぼ休眠状態。
4分間浸積させ、現像薬を乳剤に染みこませる。その後 現像成分を含まない促進液、この場合(BⅠ)に交換し、現像を行う。
(BⅠ)は、今回作った促進液では一番アルカリ度が低い。
軟調現像を狙っている。
エッジが少し立ち、D-76より少し硬調なトーンになる。
普通に使うなら、市販の現像液に似たトーンになり、かつ精細感も高いので、ベストな促進液だと思う。
おおばきぼうし1525 #2-9
(Ⅱbf)は 一番アルカリ度の高い部類の促進液。Fomapan100では(Ⅱnf)が使えたが、フィルムとの相性が悪く、
(Ⅱkf)でも駄目だった。
改良を重ね、結局(Ⅱbf)となった。
アルカリ度は(Ⅱnf)>(Ⅱkf)>(Ⅱbf) とはいえ、どれもアルカリ度は高い。
硬調なトーンで白黒のコントラストは付く。
同時にエッジ効果もあり精細感は高い。
おおばきぼうし1526 #2-10
白黒のコントラストをつけるだけなら(トーンも豊です)、Retro80S用には、(Ⅱzf)、(Ⅱof)の現像液がある。
今回は二液現像法から派生した、二段現像で 高コントラスト現像を行ってみた。
(Ⅰ)現像液(やや軟調)で7割くらい現像してから、(Ⅱf)現像液(硬調)に交換し現像を完成させた。
エッジ効果はないけど、白黒のコントラストは一番高いと思う。
おおばきぼうし1528 #2 -20
二段現像を行ったので、一番難しい(Ⅰ)+(Ⅱ)のトーンコントロール現像を行ってみた。
被写体に当たる光線の量・質、
露光の過不足、
(Ⅰ)と(Ⅱ)の切り替えのタイミング、
(Ⅱ)液の処理時間などにより、
トーンが狂ったように変化する。
未だ、この現像法の適用範囲がよく分っていない。
(Ⅱ)の現像を押しすぎたようだ。
おおばきぼうし1528 #2 -26
(Ⅱ)を短くしたが、(Ⅰ)現像が不足だったようだ。
おおばきぼうし1530 #2 -6
ストロボを焚き、
多めに露光し、(Ⅱ)現像時間を少し短くしたネガが今回のベストだった。

フィルムの面白さは、
同じ被写体でも、工夫次第で、いろいろ撮影できることにある。
フィルムを選ぶ自由がある。
そのフィルムを見て、何を撮ろうか考える。
イメージを決め、使う現像液を想定する。

そのイメージに従い、光を探し、被写体を探し、フレーミングし シャッターを切る。
撮り終わったらカメラからフィルムを取り出す。
二つの原液を選び、決められた割合で水希釈する。(想定した現像液の調整)
現像データから、現像時間を決め、現像する。
希釈現像しているので、現像液は一回限りで廃棄する。
現像・定着・水洗・乾燥し、ネガを得る。
スキャナーで取り込み、画像をチェックする。
今回はテスト撮影だったので、ネガのLow値とUp値も読み取り データに加えた。
画像の評価の一端として、データーをエクセルで集計し、統計解析を行っている。

フィルム写真は、
画像を得るには手間が掛かる。
たとえ駄目な写真でも、
そのネガの一部に、面白いトーンがないかと探したり、
駄目なトーンになったヒントが隠さていまいかと、丁寧にネガを見る。
すると、作品を作っている(その準備)という感覚になれる。
次回は こうしてみようという気になれる。
それが楽しい。

デジタルカメラの場合は、
その手間の掛かる部分を、
すべてメーカーの技術者が代行し、
カメラの中にその仕組みを入れている。
シャッターを押せば、なにがしかの画像が記録できている。
デジタルカメラで撮影するということは、
メーカーの優秀な技術者の掌の上で、
あたえられた規則のもと、
撮影を楽しんでいるようなものだろう。

自然のなかに独り放り出されるより、
ガイド付き、ツアーがいいということだろう。



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  1. 2022/11/25(金) 15:37:49|
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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