2月1日 Mamiya-6を持って、目黒の自然教育園へ行く。フィルムはAcros100、風景なので、絞りは最小絞りのf:22と決めた。シャッター速度は低速となるため、三脚を持参。散歩に三脚は持ち歩かないので、やはり気持ちは、撮るぞ!という気分。週間天気予報では、この日が一番寒かったので、池に氷が張るのではと期待。そうすれば、かなり単純化した構図に切り取れるのではと期待していた。しかし、残念ながら、ポカポカ陽気、池に氷はなく、水面には風景が映り込み、画面の単純化はできない。
何枚か、池の周りで撮影したが、前回(1月28日)に撮影したような構図しか思い浮かばない・・・池に氷が張っていさいすればなぁと嘆息。己の眼のつたなさを棚に上げていました。残り2枚になったとき、入り口近くの「いいきり」の倒木を思い出していました。あれを、撮ろう。

去年9月22日に撮影したもの。サルノコシカケのようなきのこが生えていました。寿命はつきかけているのだろうと、カメラを向けていました。
眼前の死を、見つめる森の孤独な老木の姿・・・それを撮っているのは写真マニア老人。いやだねぇ。その前に こちらはアルツハイマーで ボケるだろうが・・・
レンズはライカのSummitar 50mm F:2.0 1951年製 六角絞りでコーティングが施されています。切れが良く、ライカ独特のボケ(収差)があり、好きなレンズです。同じぼけでも 老人のボケとは違います。
フィルムの感度が低いので、f:2の開放絞りで撮影。焦点を合わせた幹の部分、シャープで質感はちゃんと出ています。背景のボケかた、ぐるんぐるんボケと言うのでしょうか、ライカ独特です。
ツアイスのゾナーにはないボケかたです。
この収差、(Summar>Summitar>Summicron)の順だろうと思います。改良は、高解像度、高コントラスト、切れのいい、収差の少ないレンズへととめどなく進み、現在のデジタルカメラのレンズのすごいこと、値段もすごい。どうやったっても きれいに取れてしまう!!
デジタルの進化に取り残された老人は・・・やんちゃなレンズのほうが、好きだなぁと 負け惜しみ。

10月中旬の台風にも耐えて立っていたのに、11月に来てみると、倒れていました。
レンズは これも古いライカのElmar 50mm F:3.5 1937年製でノンコートです。4枚という少ないレンズ構成なので、コントラストの低下は抑えられています。テッサータイプで解像度も高いのですが、独特のやわらかい描写力があり、気に入っています。これも開放絞りf:3.5で撮影しました。サルノコシカケに焦点をあわせました。倒木の手前の割れたところまで鮮明に写そうとしたらf:16程度まで絞らないといけないでしょう。三脚が必要になります。

自然教育園では、倒木が遊歩道に出ない限り、そのまま自然に任せることを基本のコンセプトにしています。この「いいきり」の倒木もこのままにし、自然に朽ちて土になるのでしょう。入園した人は、遊歩道以外、柵の中へ入るのはマナー違反、中に入り、撮影できたら・・・とおもうのですが、それはできません。カメラの眼がある人なら、撮影スポットを見つけることできるのでしょうが、ない素人カメラマンでは、撮影スポットも限られてきます。誰もが撮る場所で、同じような構図で撮影する。キャッチーな写真は・・・天候と季節頼み。凍ったとき、鳥が遊んでいる瞬間、雪の朝、紅葉・・・

倒木を熱心に撮る人はいないだろう・・・とは思うけど、内心、これ、ウイン・バロックの真似では?とすこし後ろめたい。
ウインバロックなら、小さな女の子を連れてきて、森の奥へ歩いていく姿を入れるだろうが・・・
今日(2月4日)これから急激に寒くなり、夕方東京にも雪がちらつくかも。明日の最低気温はマイナスになるとの予報。明日、あるいは明後日、もう一度Mamiya-6を持って自然教育園へ行ってみようかと考えている。カメラの眼がないなら、天候頼みの努力で勝負。
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- 2014/02/04(火) 08:17:19|
- 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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