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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

一液現像と二液現像の比較

一つの現像液の成分を、
現像主剤(ハイドロキノンやメトール酸)と 現像促進成分の二つの液に分けて現像するのが二液現像法。
効果としては、現像の進む明るい部分を抑え、暗い部分の現像を促進する効果があると言われている。
フィルム(あるいは乾板)の乳剤層が厚い時には、有効な現像方法で、
第二次世界大戦前には 写真家(あるいは写真愛好家)の間では 使われた現像法だったらしい。
有名な風景写真家、アンセルアダムスもこの方法を使用していたようで、彼の著書でも紹介されている。
しかし、戦後、フィルムの乳剤の性能が上がり、乳剤層は薄くなり、高感度になってからは、
有用性が感じられなくなり、今では使う人は ほぼいないのではないか?

15年ほど前、散歩にカメラを持ちだした頃、自家現像しようと、この方法を試したことがあったが、
現像主剤のみの液といっても、軟調なD-23現像液の組成と似たもので、最初の液で、現像は進行していた。
漬す時間が少ないと、ネガの濃度は薄く、漬す時間を延ばせば、ネガ濃度は上がるので、
二液現像法とは言うが、そんな特別な魔法の現像法ではなく、普通の一液現像と それほど異なるものではない。
現像促進液に漬せば、少しコントラストが上がるだけだった。

もう一度やって見ようと思ったのは、現像主剤の入った液を pH6以下にすれば、
現像の進行を、ほぼ無視できる速度まで低下することが分っていたからである。
(数年前、Retro系フィルムの現像条件を検討して判明していた。)

今回 現像実験の結果を示すと、
一液現像と二液現像の違い
二液現像で使用した促進液は(Ⅱnf)、現像成分の入った液は(Afx)、 
二つの液を混合すると(Ⅱzf5)現像液の組成にちかいものになる。
ミニセルでの現像結果は 一液現像の(Ⅱzf5)のほうが、二液現像(Afx)-(Ⅱnf) より、
グレースケールのピークは整っていて、かつピークの分離もいい。トーン幅も広い。
二液現像すると、暗部と明部の二つの山になっていた。これが二液現像の効果だろう。
でもトーン幅は、少し狭くなったし、ピークの切れもちょっと悪い。
一液現像(Ⅱzf5)では、
一液現像1377-2
二液現像法に見られるエッジ効果はない。黒い部分の微妙なトーンは二液現像のほうが良いように思う。
一液現像1378-6
これなど「アメ車」の滑りとした輝きが出たかなぁ・・・と一瞬よろこんだが、しかし、黒が潰れすぎ、未だしとそのときは思った。
一液現像1378-5
二液現像は白黒の境界でエッジが出やすく、精細感がでるが、
一液現像では、エッジはでないが、
明るい部分に対する独特の表現力はあると思う。
二液現像ではエッジがでるので、石畳の目地や階段、手すりなどがくっきりと出る。
光 比較1502 #2-11
光 比較1505 #1-8
反射光の輝きを、独特のトーンで記録してくれる。
従来の一液現像では達成の難しいトーン。
あらたな選択肢が広がったと思う。
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  1. 2022/10/23(日) 22:18:11|
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