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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

Jupiter8M ツアイスのゾナー50mm F:2 レンズを・・・  ウクライナ アーセナル工場製

第二次世界大戦後、戦勝国となったソ連は、東ドイツ側にあったツアイス工場を摂取、
イエナにあったコンタックス工場を、ソ連邦のウクライナ、キーウ(Kyiv)のアーセナル工場に移築する。

ツアイスの光学技術は、重要な軍事技術として、ソ連邦の光学会社に公開する。
その結果、ゾナータイプのレンズがJupiter(ユピテル)名で、各地の光学会社で製造されるようになる。

アーセナル工場では ContaxⅡのカメラを作ったが、(カメラ名は、キリル語 アルファベットでKyivと呼ばれる)
レンズは作らず、最初は、モスクワのKMZ(クラノゴルスク工場)から供給されたものを使っていたようだ。
(ただし、そのレンズも、東ドイツのイエナにあった材料で、東ドイツに残った技術者の指導で作られてものらしい。)
Jupiter8Mからアーセナル工場のマークが付いたレンズを見るが、1950年代の古いレンズを まだ見たことがない。
ライカ・スクリューマウントのJupiter8は、ソ連邦のレンズメーカー(複数社)が製造しているが、
Jupiter8Mはコンタックスマウントで、アーセナル工場のみで製造されていた。

レンズ構成はゾナータイプで、NikonS用のレンズと同じ。(Jupiter8Mはツアイス・ゾナーの正式な弟、Nikkor 50mm は義兄か?)
日本光学(ニコン)が先生としていたのがツアイスの光学技術で、
ツアイスをリタイァー(?)した技術者を日本に招き、設計法を習ったらしい。

アーセナル工場でゾナーレンズ(Jupiter8M)が作られるようになるのは1960年代からだろう。
設計思想(考え方)が同じなので、Nikon S型カメラと互換性がある。
ツアイスのレンズコーティングが施され、アーセナルの技術者としては、自信のレンズだろう。
確かに、この時期 1:2 F=5cmと刻印された Jupiter8Mレンズは、
ゾナーレンズでも一番写りがいいように感じている。(思い込みかもしれないけど・・・)
それが、15年前、新宿の中古市場で5000円くらいで売られていた。
ソ連邦のJupiter8レンズなら今も 5000円くらいだろう。(でも1:2 F=5cmは なかなか見つからない)
対応するツアイスのゾナー50mmやNikkor 50mm なら2万円以上すると思う。
最早、こんな古いレンズも使う人は少なくなっている。
このあたりになると マニアの領域。

戦前のレンズ設計だが、しっかり作られたレンズは、
ツアイスであれ、ライカのレンズであれ、140本/mm程度の解像度はある(と思う)。
今使っても充分な性能を持っている。
Jupier8M1485-6.jpg
逆光で撮ったが、レンズのコーティングがいいので、フレアーはでず、クリアーなネガを得る。
前の樹から遠くを歩く小学生まで、ピントは届いていた。
Jupier8M1485-9.jpg
レンズファインダーのピント合わせは、暗くなると難しくなる。
縦線で白黒の対比の高いところが合わせやすい。
台座の縁にピントを合わせている。
其処まで、距離は約5フィート(1.5mほど)、f:2.8なので被写界深度はかなり浅い。±5cmくらいだろう。
ピントは合っていると思う。
Jupier8M1485-8.jpg
幹の襞にピントを合わせて撮影。
距離計のメモリは約1m(3.5フィート)だった。
f:4に絞ったが、被写界深度は±5cmくらいだろう。
ピントに問題はない。
----------------------------------
首都 キーウに KyivⅡを製造したアーセナル社がある。
ハーキーフ市にはフェッド社がある。(危うく占領されるところだった)
いずれもソ連邦時代に作られた光学機器メーカー。
今はウクライナの会社となり、
国の求めにより、今も光学兵器を作っていると思う。
歴史の巡り合わせ、戦争に翻弄されて来た。
当分の間、アーセナル工場製のレンズをメインで使うつもりでいる。
探したら、Jupiter-12 35mm F:2.8のレンズがアーセナル製だった。

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  1. 2022/06/16(木) 11:37:04|
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