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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

大崎ビジネス街  楠(クスノキ)試写(2)の続き      光の状態 と 露光

白黒フィルムは、ネガフィルムの上にいかに光を記録するかに掛かっている。
光に反応した銀が記録できないと画像は出てこない。
そこで白黒フィルムでは、少し多めに露光するほうが良い場合が多い。
薄いより少し濃いめのネガを好んで作っている。
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昨日の記事では、光が当たっているクスノキを選んで撮影している。
光の当たった部分を中心に露光を合わせるならf:16/125秒かf;11/125秒になる。
でも、クスノキの幹は光を吸収し暗くなっているので、f:8/125秒とした。
もし、f:11としたら、日の当たらない街路樹は黒くつぶれ、ディテールはでなかったと思う。
f:8と露光を増やしたので背景のビルの壁は白飛びしていたが、
注目は日の当たったクスノキに行くので、それほど気にならない。
大崎のクスノキ(3)1484-38
一本後ろの、ちょうど影の部分に入ったクスノキは、空からの柔らかな光に包まれていた。
この木を被写体にし、テスト撮影をした。
大崎のクスノキ(3)1484-37
影に入ると、露光は2~3絞り増やすのが 経験値になっている。
一絞り多めの露光は、すでに終わっている。(f:2/1250秒で撮影)
むしろ露光を減らしたテストをしたほうがいい。
一絞り減らした露光を選ぶ。
大崎のクスノキ(3)1484-36
更にテストだからと、二絞り分露光を減らしたコマも作った。

現像して、ネガを見た瞬間、この二コマだけ、薄いネガになっていた。
薄いネガほどトーンの幅は狭くなり(ハーフトーンは縮減)、画像のコントラストは上がる。
白黒の対比の強い、不気味さを含んだクスノキの幹が出現していた。
これも、写真表現のテクニックの一つだと思うが、暗い部分は完全に潰れる。
いまは こんなトーンを好む人もいるが、豊かなトーンで高コントラスト志向するなら、
過不足ない露光を選び、通常の濃さになるよう現像したほうがいい。(現像を押しすぎた濃いネガも良くない)
この光の状態ならf:4/125秒で露光し、
硬調な(Ⅳ)系の現像液で処理するのが良いと思う。
(参考:6月3日の記事でSuperpan200フィルム、YA2フィルターやや硬調な現像液(Ⅲb)で撮影した作例を載せている。)

光を読み、できあがりをイメージし、現像液を選ぶ。
現像液を、原液で使うか、希釈するか、現像を押すか、少なめにするか、それによっても微妙にトーンは変化する。
覆水盆に返らず、現像は一発勝負。
できたネガを見て、がっかりすることは多いが、うまくいったときの喜びは大きい。

一方、デジタルカメラに失敗はない。オートで撮れば、ダメという写真はできない。
しかし、失敗しないというのは窮屈だと思う。工夫すべき方向性が見えてこない。

一時期、デジタルカメラの設定をハイコントラスト・白黒モード(HCB&W)にして遊んだことがある。
フィルムではなかなか出せない、白黒のコントラストの高いすっきりした写真が撮れていた。
しかし、それ以上でも、それ以下でもない写真は撮れない、するとすぐ厭きる、こんなものかと。

HDR(ハイダイナミックレンジ)モードで撮ったこともある。
とてもフィルムではだせないトーンと色調が出現し、驚き しばらく使ってみたが、
いつも同じようなトーンで同じような色調になる。
もっと別のトーン、別の色調にならないのか?
次第にカメラに馬鹿にされているような気がしてきた。
HDRモードのプログラムを作った人の匙加減で画質はきまる。
自分が積極的に撮っているのではなく、プログラマーに撮ってもらっているだけではないか?
HDRモードは それから使ったことはない。(HCB&Wモードも)


思い込みかもしれないが、フィルム写真、トーンの表現の幅は、デジタルより広いのでは?
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  1. 2022/06/09(木) 12:30:53|
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未だフィルムカメラの沼から抜け出せない。
もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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