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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

隅田川河口         築地

演出などの小細工を廃し、
現実をそのまま撮そうとする「リアリズム写真運動」が、戦後の日本で起きる。

この運動は、
第二次世界大戦前のドイツで起こった新即物主義(ノイエザッハリヒカイト)運動に触発され、
敗戦後の日本で起きたものだと思う。
当時のドイツでは、徹底的に客観性を追求し、
ジャーナリスチックな(政府批判を含む)写真を撮っていた。

同時期のフランスでは それとは真逆と思えるシュールリアリズム運動が起き、
抽象的な写真運動(芸術的志向)が盛んに行われた。 

ドイツは、主観的表現主義に反発し、新即物主義へ傾斜していく。
新即物主義に裏打ちされた写真は、プロパガンダ写真にはなり得ない。
ナチスの台頭と共に、活動は制限されて衰退していった。

戦後リアリズム写真を提唱したのは土門拳だろう。
おそらく戦前、政府のプロパガンダ写真を撮っていたことへの、反省・悔悟があり、
新即物主義(ノイエザッハリヒカイト)に 活路を見いだしたのだろう。
ノイエ・ザッハリヒカイトに関しては、
ドイツ帰りの写真家・編集者、名取洋之助の設立した日本工房に
土門拳は所属していたので、彼からその知識を受けていたと思うが、
欧州の歴史的な表現変遷に関する深い理解にまで至っていないように思える。
キャッチーな言葉「ノイエザッハリヒカイト」に引かれた側面が強い。

彼の提唱するリアリズム写真は同調者が多く出て、一時隆盛を極めたが、
同じようなテーマ(モチーフとカメラの直結)の追求となり、やがて「乞食写真」と呼ばれるようになり運動は衰退していく。
リアリズム写真が盛んなとき、フランスのシュールリアリズム運動に触発された植田正治氏は、やりにくかっただろうなぁと思う。
今となっては、どちらも日本を代表する写真家になっている。

写真によって物事をどう捉えるか?
考えただけでは解き明かせない裏表の関係にぶつかる。
写真は何でもあり。
考える、そして撮ってみる、その繰り返しあるのみだろう。
写真にはリアル(現実追求)とシュール(個人的・美的追求)、この二つの極があると割り切れば、それで良いと思う。
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SuperPan200を撮りきったので、持ってきたFomapan100フィルムに詰め替える。
主に散歩中のスナップ写真が中心。
演出を施した写真は撮らないから、リアリズム写真と言えなくもない。
でも「モチーフとカメラの直結」と言われると・・・何のことを云われているのか分らなくなり動揺してしまう。
隅田川1469-3
モチーフ?は何と聞かれても、切羽詰まったテーマはない。
結果的に、どう撮れるか試したい気持ちが一番大きい。(それがカメラとの直結になるだろうか?)
何がモチーフですか?と尋ねられたら・・・(後出しで)何か気の利いたコメントを出せばいい・・・と思ってしまう。
隅田川1469-6
このフィルムは、軟調な現像液で処理するつもりだった。
すこしオーバー目な露光をして、暗部の黒潰を防止するつもりだった。(それが動機かなぁ?褒められたものではない。)
隅田川1469-11
対岸の木々は浜離宮だと思う。
隅田川に掛かる環状二号線の橋、築地橋と名付けられたようだ。
オリンピックに間に合わせようと、道路の建設が続いていたが、
魚河岸の豊洲への移転が延期となり、一部の土地が、
道路建設の場所に入っていたので、問題になっていた。
問題だらけの都政とオリンピックだったなぁと思う。(ちょっとノイエ・ザッハリヒカイト風コメントになっている?)
隅田川1469-15
築地の中央卸売市場跡。
船着き場のコンクリ-ト構造はまだ残っていたが、後ろの建物は全て撤去されていた。
中央右の建物は、国立がん研究センタービル。
7,8年前、兄が癌で治療を受け、この病院に入院していた。
見舞いに何回か訪れ、そのとき待合の部屋から、築地市場を眺めていた記憶がある。
隅田川1469-13
隅田川の上流方向にカメラを向ける。
順光だったので、もう一絞り露光を少なくして撮影すべきだったと思う。(f:8/250秒)
この写真を、リアリズム写真と胸を張っていいだろうか?
「モチーフとカメラの直結」という言葉、難解すぎて、何を指しているのか、小生にはよく分らない。

「心象写真」というシュールな言葉も難解だ。
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  1. 2022/05/17(火) 12:28:59|
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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