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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

ノンコートレンズ Elmar 50mm F:3.5

硝子の表面に薄膜コーティングすれば、
反射を防ぎコントラストの高いレンズができること分っていたが、
その表面加工技術の確立は困難を極めてた。
最初に達成したのは、自他とも認める世界の光学機器メーカートップのツアイス。
最初は軍事秘密扱いだったという。
1936年になると、ゾナーレンズへのコーティングが始まる。
廉価なレンズへのコーティングは為されなかったようだ。
戦前の写真用レンズでTコートされたレンズは、ゾナー50mm F:1.5だった。(だけかも・・・)
50mm F:2、85mm F:2、35mm F:2.8(Biogonと呼ばれた)レンズでT-コートされたレンズを、今のところ見たことがない。
ノンコートレンズ画像
FEDの外観はエルマーレンズに似ている。
Elmarレンズはシリアルナンバーから1937年製、
Tessar 50mm F:3.5は1933年製と推定している。
FEDの製造年は不明。
戦後、ツアイスの技術は戦勝国により公開され、
すべて自由に使えるようになり、
1947年には、写真レンズのコーティングが始まる。
コーティングされたFEDのレンズも持っているが、
絞りは大陸絞りではなく、今使っている絞り系列になっているので、
1937年から1946年に製造されたものと思う。
戦争の間はFEDカメラの製造も中止されていたようだから、
おそらくElmarと同時代、1937年頃だろう。

戦前のノンコートレンズとは言え、描写力は高い。
ノンコートエルマー1447-2
ノンコートだけど、レンズに直接強い光がはいらないよう工夫して撮れば、フレアーのない高解像度の写真を撮ることができる。
ノンコートエルマー1447-3
1m(レンズファインダーカメラの限界)まで近づいて撮影。
ノンコートエルマー1447-8
鮮鋭度はかなり高い。今でも実用レベルだろう。
ノンコートエルマー1447-10
ノンコートエルマー1447-19
完全な逆光、レンズに光が入った。
フードをつけてれば、かなり防げたのでは?
戦前のライカの看板レンズ、確かに優秀。
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FEDとTessarとで撮影し、比較してみた。
1449-2 ノンコートElmar
1449-5 ノンコートFED
1449-32 Non-Coated Tessar
開放絞りで撮ったら、全て同じTessarレンズ。
当時、高価な35mmカメラ用のレンズ、
レンズは硝子の塊のいいところを選び出し、削り、レンズにする。
各レンズを試し、その中からレンズを組み立てる。
すべて熟練したマイスターの仕事。
出来不出来はある。
四つ切り程度(当時に限界だと思う)に伸ばすのであれば、
この三つのレンズの差を探すのは難しいと思う。

幸か不幸か、戦前のフィルム(60~80本/mm)に比べ、
現在のフィルムの解像度は大幅に上昇(120~140本/mm)になり、
その差を少しは感じられるようになる。
ノンコートレンズ 開放絞り 比較
遠くの第一三共のビルと
ビルとビルの間にあるレインボーブリッジを
等倍まで拡大し、比較してみた。

敢えて評価するならElmar>Tessar>FEDの順になるだろう。
しかし、当時のレンズ、個体差もあり、一本で評価することはできない。
同じメーカーでも、バラツキが有り、この程度の差は出るだろう。
4つ切り程度に伸ばして、その差を見分け、
このこのレンズでなければ写真でない、
残りは駄目レンズと判断できる人、いるだろうか?

ソ連邦のライカスクリューマウントのレンズは、
その後、Induster-22,Induster-50と改良されていく。
できのいいInduster-22に当たると、Elmarより映りはいいという人もいる。
最終形のInduster-50は、当たり外れのない、いいレンズだと思う。
ノルマ優先の共産党時代のレンズだが、ロシア人、写真好きが多かったようで、
レンズに関してはかなりいいレンズを生産していた。
生まれ変わったはずの新生ロシアだが、
旧ソ連へ回帰するかのような戦争を始めた。
ノスタルジーにふけり、往時の栄光を取り戻したいのだろう。
一度自由を味わうと、揺れ戻しはあっても過去には戻れない。
歴史はのたうち回り、螺旋を描きながらも進むものと思う。

何年か前、当時の安倍首相が、選挙で「日本を、取り戻す。」と連呼していた。
それが、妙にプーチンの姿に重なる。
プーチンの演説にも、
もう一度、昔日の強い祖国に戻りたいという感情がこもっていた。
スローガンは、「強いロシアを、取り戻す」だろうなぁ。

アメリカの前大統領、トランプもMAGA(Make America Great Again)だった。
世界が狂い初めているような暗澹たる気分になっている。
安倍元首相は、プーチンともトランプとも仲がいいところを見せていた。
意外とケミストリー(相性)が合っていたのかも。
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  1. 2022/02/28(月) 23:06:36|
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