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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

現像液を選ぶ  二段現像法             写真の表現

もともと古く二液現像あるいはニ浴現像(two bath development)という現像法があった。
アンセルアダムスが最初に言及したのか、
あるいは彼のゾーン現像法の考えに賛同した人が考え出したものか、それは不明。
でもゾーン現像という概念が出てこないと、発想できない現像法だったと思う。
戦前に出版された「アルス最新写真大講座」(祖父の蔵書)にも、この現像法が紹介されていた。
当時は乳剤層が厚く、乾板やフィルムを現像するにはいい方法だろうが、
現代のフィルムは乳剤層が薄いので、効果はそれほどあるわけではない。
軟調な現像液(D23系統)で現像したのと、あまり差はなくなっている。

最初の現像(一浴)は軟調な現像液で数分間現像し、
二回目の現像(ニ浴)は現像剤を含まないボラックス溶液(アルカリバッファー液)でやはり数分現像するという方法。
この方法が考案されてから長い年月が経ち、
やり方は、人それぞれになっている。(その考案者の名がついた現像法になっているようだ)
処理時間、一浴目の現像液組成など、少しずつ異なっているが、基本は変わらない。
今もネットを見ると、この方法がいいと紹介する記事を見る。(英文が多い、日本語もある)
自分に合った現像ならそれでかまわないが、小生は使わない。

使うのは、その発展形、ニ浴目の現像液に、硬調な現像液を使う方法。
軟調現像液だと、黒潰はかなり防げるが、眠い画像になりがち、
明るい部分の銀の乗りが不十分になる。
そこで、現像液を硬調な現像液に換え、トーンを整えることにしている。
二つも現像液を使うので、コストはかかる、手間もかかる。
トーンがどうしても整わないときの、最終手段だった。
かなり特殊な使い方だとおもう。
軟調(Ⅵ)系あるいはやや軟調(Ⅰ)系+硬調(Ⅳ)系を使っていたが、(トーンコントロールに失敗が少ない)
究極の方法が二液目に硬調現像液(Ⅱ)系を使う二段現像。
フィルムの露光量、切り替えのタイミング、二液目の現像時間でトーンが激しく変化する。
まるでじゃじゃ馬。
それが 面白くて・・・いつかは乗りこなすぞと、この二段現像を試している。
二段現像1440 #1 -3
SuperPan200はISO:200のフィルム。
この光の状態だと、f:4/500秒が適正露光だと思うが、あえて一絞り少なく露光した。
つわぶきの葉のコントラストが強調され、金属光沢を帯びる。
二段現像1440 #1 -5
これは二絞り不足。
二段目の硬調現像液で無理矢理現像した感じがでている。
白が冴えていると思う。
どうしても銀粒子のザラつきが出やすくなる。(増感現像?)
二段現像1440 #1 -11
陰になったところだったので、これで適正な露光だったと思う。
軟調な現像液で現像が進行していた部分に、硬調な現像液がくるので、
ときとして現像は不均一になり、エッジがでたり、銀粒子のザッラとした感じが出やすい。
二段現像1440 #1 -13
二絞り分少なく露光すると、後ろの壁が黒く反転、予期せぬトーンが現れた。
トーンコントロールは難しい。
だけど、だから面白い。
写真を初め頃の、
定着が終わり現像タンクを開けたときのドキドキ感に近い。
フィルムと現像液に、また欺かれた気がする。

画質、トーン、ダイナミックレンジ、色彩などの、写真を左右する因子の全ては、
デジタルカメラを設計し製造した企業のコンセプトの範囲内にある。
デジタルカメラは、その範囲を越えることはできない、その中で遊ぶだけだろう。
人間を欺くこと、デジタルカメラではあり得ないと思う。
二段現像1440 #1 -26
これは適正露光、だけど・・・トーンが少し変。
-------------------------------
一段目は、やや軟調か軟調であれば良いと思う。
市販品を使うなら、D-76(それに対応する銘柄)を1:1希釈、あるいは1:4希釈(このほうがベターだと思う)でいい。
ミクロファインでもいけると思う。
棘のある、あるいは癖のある現像液は売れないのだろう。
市販現像液の淘汰が進み、似たり寄ったりの現像液になっている。
硬調現像液、市販されているだろうか?
(Ⅱ)系に相当する硬調現像液はないと思う。
自家配合する以外、この二段現像法の実施は無理だと思う。

一度、こんなトーンを出せるとわかり、
二段で現像すれば可能だとその道が示されたら、
あとに続く者は、少しばかりの試行錯誤は必要だが、
すぐにも 同様なトーンにたどりつけるだろう。
やろうとする人が出てくることを期待したい。


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  1. 2022/02/16(水) 10:17:44|
  2. フィルムの眼
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