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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

居木橋近くにて              Nikkor Zoom 43-86mm F:3.5

自分専用のカメラとして最初に買ったのはNikon Fだった。
先の東京五輪の翌年に購入した。
今も現役で使っているので、67年間使い続けたことになる。
一度、ミラーの調子が悪くなり、修理してもらったことがあるが、それ以外は支障なく使えている。
購入したときは、若者には高価すぎ、身分不相応だったが、
今でも使えるのでコスト的にはいいカメラだと思う。
やがて、少しずつ交換レンズが増えていく。
35mm F:2.8(ニコンの交換レンズの中では一番安かった)、
105mm F:2.5、
Zoom Nikkor 43-86mm F:3.5、この3本は1960年代に購入している。
Nikon Fとして、オールドレンズの部類だろう。
35mmと、105mmは、今でもたまに使うが、
ズームレンズは 殆ど棚の上に置かれたまま。
たまには使ってみようと、Nikon Fにつけて散歩に出た。
居木橋近く1438-3
ズームレンズとしては、草分けのレンズだろう。
オリンピックの頃、レンズシャッター式(だと思う)一眼レフカメラ、
ニコレックス(Nikorex)に付いていたレンズと記憶している。
フォーカルプレーン式シャッターより、レンズシャッターの方が枯れた技術で、安価だったのだろう。
43mmの広角から86mmの望遠まで、無段階で画角選べるカメラということで、
初心者向けとはいえ、日本光学の野心作だったのかもしれない。
当時、アマチュアが使えるズームレンズはなかったので、評判を呼び、
レンズだけ取りだし、Nikon Fの交換レンズになっていた。
このレンズは、話題になり、売れたと思う。
ミーハーだったもので手を出していた。

ビルの硝子窓に反射した光景を、柵越しに撮ってみた。
望遠の側では糸巻き型に歪曲する。
まだコーティングの技術が進んでいない。
レンズ枚数が多いので、ゴースト、フレアーが出やすい。
微妙なコントラスト差をある被写体では、眠い画像になりやすい。
でも中心近くの解像度は高く、中間の58mm辺りだと、Nikkor 50mm F:1.4より 解像度は高いように思えた。
しかし、コントラストは明らかに悪く、眠い感じになる。
望遠86mmでポートレートを撮影すると、意外といい映りになったと思う。
主に、子供のスナップに使っていた。
居木橋近く1438-4
43-86mmと2倍ズーム。
使ってみると両端の43mmか86mmで使うことが多い。
43mmだと樽形に歪曲するが、このような被写体なら気づかないだろう。
居木橋近く1438-6
絞れば、周辺までかなり解像度は高くなる。
コントラストは低めに出やすいという記憶があったので、
現像はD-76より少し硬調な現像液、(Ⅲb)を使用した。
「千代田グラビヤ」、「光村」の看板もくっきり出ている。
居木橋近く1438-8
逆光には弱い。
ゴーストがでて、微妙なコントラストの差を記録することは無理だった。
フードが必要だが・・・35mmレンズ用のフードでもつければいいのだろうか?

1950年代のカメラ雑誌を読むと、レンズの解像度とコントラストは反比例のような関係があり、
レンズの解像度が高いと、コントラストは低く、解像度が低いと、コントラストは高くなると言われていた。
このズームレンズ、7群9枚の構成。7群なら反射面は14もある。
(ゾナーは3群7枚、テッサーは3群4枚で、反射面を6に抑えている)
たんなるシングルコートでは、コントラストの低下は避けられない。

しかし、レンズのコーティング技術は その後驚異的な発達を見せ、その定説は壊れている。
レンズ枚数を増やせることは、各種ある収差を最小化できることを意味する。
そして、コンピューターの発展が、レンズ設計の自由度を上げる。
その結果、高解像度でかつコントラストの高いレンズを設計し、作ることができるようになったが、
その分、レンズの価格も高いものになる。
昔は、単眼の50mmレンズを、標準レンズと呼んだが、
いまは標準ズームの時代になっている。
ニコンが夢見ていた「ズームを標準に」の時代になったのだろう。

一度、現代の最新レンズをNikon Fで試して見たいと思うが、
絞り環も距離目盛りも今の発達した交換レンズには付いていない。
マウントは合ったとしても、使えるレンズあるだろうか?
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  1. 2022/02/07(月) 23:53:59|
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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