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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

つわぶき 変容

絵を描く、彫刻を彫る。
社交辞令で「いいね」と云ってはくれるが、
作品として認めてくれるものは簡単にできるものではない。

昔は工房があり、そこへ弟子入りし、
師匠、兄弟子の手伝いをし、
画材の選び方、筆の使い方、鑿の使い方などの技を盗んでうまくなっていく。

近年になると、工房から学校に訓練の場が移る。
工房へ入ることは、一種の就職、衣食住は工房が面倒をみたが、
学校は生徒がその費用を負担する。
裕福になった市民層の増加が、美術品への需要を喚起したからだろう。

写真も最初は工房(写真館)から始まる。
ダゲレオタイプ、湿式写真、乾板写真の頃なら、
工房に入り、助手として働かないと、技術の習得は難しかったと思う。
やがて、学校もできてくる。
昭和の頃までの写真家は、
写真学校で学ぶか、有名な写真家の工房で助手として働いた人が多い。

昭和を20年くらいの間隔で分けると、
中期までは、工房で修行し技術を習得した人が多い。
昭和の後期になると、
カメラに自動露光機能が加わり、
シャッターを押せば、写真が撮れるようになる。
なかには、偶然とは言え、すごい一枚の写真が撮れることがある。
そこで自惚れてしまい、独学で写真を目指す人も増えてきたようだ。

今は、デジタルの時代、もっと容易になる。
しかし、基本的な技能の習得という点ではどうなのだろう?
デジタルカメラとレタッチソフトという、
メーカーの提供する便利グッズに頼りすぎ、
その人間に課すべき基本的な写真技術の習得を
おろそかにしているように感じている。

本を読み、上手な人の話を聞き、デジタルカメラの撮影法を学ぶ。
デジタルカメラを手にし、学んだ知識を元にカメラを設定し、撮る。
すぐに、綺麗な写真が撮れる。
しかし、人間の欲望は強い。
(認めてもらいたい)、もっと良い写真を撮りたいと、
これは入門機、これでは不足と、上位の機種に換えていく。
本やネットで評判を確認し、カメラやレンズを揃える。
撮る人間の部分がすっぽりと抜けているが、当人は気づかないのだろうなぁ。
いい写真を撮りたい、認めてもらいたいという気持ちが先行している。

学校で一通り、専門分野(実習を含む)を習得し、
どうにか一人前になったと社会にでるが、
その専門技術が身につくには、
さらに長い期間(熟成)が必要だと思う。
(化学を学んだ小生の実感)

写真もそんなものではないかと思う。
つわぶきの変容1439-40
写真は独学というより、ごく自然に覚えていった。
祖父の姿を真似(盗む)て最初は撮り、
祖父が購読していた「アサヒカメラ」が教科書のようなもの。
つわぶきの変容1440#2-3
長じて、化学を専門に学んでいたので、写真の原理、写真薬剤の理解は早いと思う。
写真関係の学会誌の論文を読み、理解することはできる。(学会誌を読む職業カメラマンは希だろうけど・・・)
つわぶきの変容1440 #1 -9
フィルムカメラを再開して約15年、
ようやく、フィルム写真の目鼻立ちが、
分かりかけてきた気がする。
一つの技術も、自分のものになるまでには時間が掛かると思う。

カメラは、オリンピックの次の年に購入したNikon F,
レンズも、そのとき同時に購入した、105mm F:2.5の望遠レンズを使っている。
フィルムは、SuperPan200を使用。
短く切ってマガジンに入れ、(12コマから15コマ程度)
撮影したら家に帰り、すぐ現像。
結果を見て、次の日も撮影、3日間通い詰めて、「つわぶき」を撮る。

現像液、現像法を変えるだけで、「つわぶき」のトーンは変化する。

トーンのコントロールは、難しい。
予期しないトーンになり、駄目の連続だったが、
段々とコントロールの幅が狭まり、予期しない駄目なコマが少なくなった。
一つの技術が身につくには、ながい期間が必要だし、Try&Errorの連続。
それに耐えるだけのもの(魅力)が、写真にあると思う。
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  1. 2022/01/30(日) 10:52:20|
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