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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

写真の露出

祖父は戦前、写真を趣味にしていたので、
その場の光を見て、絞りとシャッター速度を決めて撮っていた。
母も、娘時代(戦前)兄の影響(地方の都市で、写真館を開いていた)
写真を撮っていたので、ごく自然に同じように絞りとシャッターを合わせ、撮る。
父も たまにカメラを持ち、撮っていたが、同じことをしていた。
小学校高学年になると、見よう見まねでカメラを使うようになる。
祖父の助言が多かったが、露光で大きな間違いはなかったと思う。
そんな刷り込みがあるので、古いカメラとの相性はいい。
なんの写真か分ればいいというレベルなら、
露光にそんな気を遣わなくてもいい。

第一京浜国道が、目黑川を越えるところに日蓮宗の本光寺がある。
墓地に三重の塔が建っている。

午後遅く、その場に立つ。
光は弱い。
空の明るさと三重の塔の暗さを考えると、f:5.6/125秒が適正露光かなと思った。(あくまでも、今までの経験からそう思っただけ。)
レンズはNikkor 28mm F:3.5が付いている。
パンフォーカス狙いのf:8/60秒も考えたが・・・縦位置撮影だし、遠くの部分が主役でないしと、f:5.6/125秒とした。
本光寺基準1403-37
空の明るさに合わせ、二段分シャッター速度を速くする。
空にトーンはでるが、暗い部分に黒潰が見られた。
本光寺二絞り減1403-36
暗い部分を出そうと、二段分シャッター速度を遅くする。
暗い部分のトーンがでて、何が写っているのかはっきりとする。しかし、
空の部分、トーンカーブを抑え、出すようにしたが、銀粒子のザラッとした粒状感が出てしまう。
空を、白一色にすると(それが普通の写真)すっきりするが、それでは、小生の写真(好み)にならない。
本光寺二絞り増1403-35
最新のカメラは自動露光が当たり前。
露光で苦労することはない。
しかし、なんでもやってくれるカメラに頼りすぎると、
人間の感覚は鈍くなる。(人間阻害)

カメラの進歩で、人が為す部分が少なくなる一方、
誰もが簡単に美しい写真が撮れる。
それ自体、悪いことでない。
しかし、写真の社会的価値は、相対的に低くなっていることは確か。

日本語のワープロができる前、字は手書きだった。
印刷にするには、それなりの費用がかかった。
活版印刷ができる前は、墨をすり、筆で紙に字を認めていた。
その頃の人は、字のうまい下手が、重要なポイントになっていた。
「字は筆で書く」が当たり前の時代、
人々の字の美しさに対する感覚は研ぎ澄まされていく。
明治時代の人なら、字を見て、その良さを正確に評価できただろうが、
PCのキーボードで文章を書くようになり、
その便利さに慣れ、字の美しさを(正当に)評価できなくなっている。
それが達筆な人の手による書であるか、
まだ駆け出しの人の書いた書であるか・・・見分けできない人が増えている。(小生も見分けが付かない)
人が見ている前で、さらさらと数秒で書を認める。
それをみて、「字」など簡単に書けると思ってしまう。
しかしそこに至るまでには長年の研鑽が必要だったことには気づかない。
書の美しさなど・・・綺麗に書ければいい程度、たいした関心を持たないのが現代の人。
「書」の社会的価値は低下している。
「写真」も そうなってきているように感じている。

便利なデジタルカメラの出現で、
フィルムカメラは先細りの傾向が続く。
写真を評価する眼も劣化してはいまいか?

フィルムカメラには人間に委ねられた部分がまだ沢山残されている。
デジタルにない人間部分の復活。
人間は間違えるもの、寧ろ間違えた時のほうが、
ごくたまにだが、今まで見えてこなかったものが、見えてくるような写真が出現する。
それが楽しいのだ。(デジタルカメラに対する、ささやかな抵抗をしています。)
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  1. 2021/11/26(金) 10:44:51|
  2. フィルムの眼
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こんにちは。
字を書かなくなったら
漢字は忘れるし
元々、下手な字が
絶対読めない暗号になってます。

フィルム
出来上がるまで待つ時間が楽しいですね。。
私のフィルムカメラはピント以外は
カメラがやってくれたりする。。
それに乗ってます。。
ダメですね。
  1. 2021/11/28(日) 15:30:22 |
  2. URL |
  3. タコ助 #-
  4. [ 編集 ]

どうとれるか撮ってみる ただそれだけ

Tri-Xの値段が急激にあがり、
他の銘柄のフィルムを使うようになってから、ようやく気づいた世界です。
フィルムの世界は意外と奥深い。
フィルムを変えるだけ、現像液を変えるだけもで、世界が違って見える。
自動露光のカメラでも、かまわないと思う。
カメラ、レンズを気にするより、
まず、違うフィルムに挑戦してみる。
使いなれた現像液を違ったものに替えてみる。
そこに楽しさが発見できたら、
中古の機械式カメラに手をだすのでは・・・・と思います。


  1. 2021/11/28(日) 17:06:47 |
  2. URL |
  3. AlchemistSasaki #-
  4. [ 編集 ]

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未だフィルムカメラの沼から抜け出せない。
もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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