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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

枯れた紫陽花を撮る。         Retro80Sフィルム  硬調現像

1950年代までは、
白黒の銀塩フィルムが主流で、
白飛びも黒潰もしない、銀粒子も目立たないトーンの豊かな写真が多かった。
とはいえ、白飛びも黒潰もなく、銀粒子も目立たない写真を撮ること自体、かなり難しい。
撮影技術、暗室技術に優れたプロ写真家の活躍する世界だった。
アマチュアカメラマンは、写真雑誌に載るプロの写真を参考にし、
なんとかそれに近づきたいと、押し入れを改造し暗室を作り格闘したもの。

Tri-Xフィルムと、露光計内蔵の一眼レフの出現が、
その潮流を大きく変えたと思っている。
1960年代後半の、闘争の時代、学園闘争、成田闘争のころになると、
時代が「ザッラ」としたトーンを受け入れるようになる。
白飛び・黒潰れ・銀粒子のでた白黒のコントラストの激しい写真の方が、時代を表現しているように思えた。
構図は単純なほど、またトーンの少ない写真ほど、人間は理解しやすい。
写真は そんなに時間をかけて見るものでない。
いいか否かは、数秒、チラリと見れば評価できる。
そんな風潮だったのだろう。
今も、その影響は残っている。
---------------------------------
アレ・ボケ・ブレの時代。
社会がそれを求めたのだから、それなりの意義はあるが、
若いカメラマンから、その時代の流れに乗ろうとするひとが出てくる。
トーンの美しさを追求していた写真家は、その波にのみこまれ埋没していく。
これは日本独特の現象ではなかったか?

当時、写真雑誌を見ても、アレボケブレの写真は一瞥するだけ、
アマチュアの気楽さ(時代の波に乗る必要なし)、
旧来のトーンの豊かな写真が好きで、それを見てきたので、
白黒の対比を狙った写真を撮っても、
白飛びせず、黒潰しない写真を撮ろうとする。
そしてできれば銀粒子は出したくない。
枯れ紫陽花1403-20 Ⅱ
秋になり、
中央公園のグランドの周りに植えられた紫陽花の花が、立ち枯れていた。
午後の太陽は雲に隠れ、柔らかな光に包まれている。
紫の美しい色は失せ、カラーで撮ったらみすぼらしいだけ。
だれも気にとめないし、スマホを向けるひともいない。
Retro80Sのフィルムを使い、硬調な現像液(Ⅳd5)で現像した。
明暗差の少ない構図だが、
このフィルムと現像液の選択が、枯れた紫陽花を 綺麗で豊かなトーンにする。
枯れ紫陽花1403-19
黒潰もないし、白飛びも防げている。
そして粒子も目立たず、トーンは滑らか。
こんな写真が好きだ。
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  1. 2021/09/30(木) 11:44:58|
  2. 樹、草、花 
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もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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