一昨日、雨の降る吉祥寺の駅に立っていました。
終わる前に、もう一度展覧会を見るために。
シャッターを押す、家に帰り、画像をPCでチェック、レタッチソフトで調整し、プリントする。デジタルの時代になり、簡便になりましたが、大道氏の場合、シャッターを押した後の作業が中途半端ではないようです。むしろ その後の処理に、全神経を注ぎ込み、作品を成立させているようです。やはり 自分で焼いて作品を作っている・・と思いました。(このごろは、プロといえども、現像・・デジタルではなくなりましたが・・色の調整、焼き付けを、ラボの職人に任せる人が多いようです。版元、絵師、彫り師、摺り師がいた 浮世絵の時代に戻ったか?)
現像、焼付けにどれだけ労力を費やしているのだろうか。確かに 作品の一部には 「作ったな」と思われる作品もある。全作品の10%程度か、しかし、焼き付けられた迫力ある印画紙を見せ付けられると、もはや それは問題ではないと、押し黙り、作品に見入ってしまう。
帰り際、売店で、「モノクローム」の写真集を購入していた。
真似はしないが、まず、盗もうと、ページをめくる。(オリジナルプリントと写真集の印刷・・・差はありますが)

今年5月、秋葉原から神田あたりを散歩したとき撮影した写真。何の変哲もない写真なので没にしていたもの。この画像を使って、まず 練習。大道風に作ったら・・・
全体を焼きこむが、遠くのビルは覆い焼きし、中間の階調を残す。川の水面はコントラストを上げ、弱い夕日の照り返しを意識して「作って」みました。焼きこんだ空には、銀粒子が現れてきます。こんなんじゃないんだが・・・

建物は少し焼きこみ、コントラストを上げる。看板部分と、空を焼き込んでみた。空には銀粒子がでてザラとなる。森山大道氏の作品では、銀粒子のザラツキ感はほとんど抑えられている。どういうテクニックなのか??
普段何気なく見ている風景、それが、大道氏のカメラの目を通すと、ありえない非現実的な世界に変換される、ここがポイントだが、これを真似ることはできないでしょう。これこそ その人の感性、直感力のなせる業。真似すると、似て非なるものになり、真似た撮影者の卑しい心が出てしまう。技術は盗むものだが、真似はできません。
焼き付けだけでなく、フィルム現像も検討しないと いけないでしょうね。
来年は、フィルム現像をもう一度見直さねば。
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- 2013/12/21(土) 12:18:20|
- 写真の技法
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